共同声明

2002/10/23

違法高金利業者に関する共同声明

2002年10月9日
東京弁護士会   会長 伊礼勇吉
第一東京弁護士会 会長 山本孝宏
第二東京弁護士会 会長 井元義久

 長引く不況の影響か、近時、10日で2割・3割などという高利を要求する貸金業者が急増し、これら業者による過酷な取立の被害事例が首都圏を中心として全国的に続発している。
 出資法は貸金業者の上限金利を年29.2%と定め、これを超える高金利に対しては、3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金という罰則を科して禁止している。したがって、上記のごとき年数百%もの高利貸付はそれ自体違法であり、貸金回収に名を借りた取立行為は許すべからざる犯罪行為である。
 しかるに、これら違法高利業者は、貸金の回収という名目で、手段を選ばず弱者から金を取り上げることに奔走しており、困窮した借主の自宅・勤務先や学校に押しかけて恐喝行為を繰り返すことを常態とするだけでなく、果ては自宅の不法占拠や関係者の拉致監禁にまで及んでいる。
 このような異常な状況を速やかに改善するべく、東京三弁護士会は,以下のとおり宣言するものである。

  1.  東京三弁護士会は、クレジット・サラ金相談における多重債務者救済活動をよい一層充実し、弁護士が借主の代理人として事件処理を行う際には、犯罪者たる違法高利業者を撲滅するべく、毅然として対処することを統一方針とする。
     違法高利業者の取立に悩む市民は、東京三弁護士会の法律相談センターに救済を求められたい。
  2.  違法高利業者の取立行為は犯罪であるにもかかわらず、現状は、貸金の回収を口実としているために被害者が泣き寝入りをすることが多く、警察も実態を把握 できないで取り締まりに踏み切れないことがある。東京三弁護士会は、今後、違法高利業者に対して警察力が適正に行使されることを可能にするよう、これら業者の犯罪行為の実態を明らかにする活動を行っていくので、被害者はためらうことなく、被害状況を弁護士に通知すると共に警察に申告するようにされたい。
  3.  広く国民各位におかれても、違法高利業者が犯罪者であることをよくご認識いただき、被害者の窮状に対してご理解をいただくようお願いする。

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