会長声明

2011/02/04

司法修習生の給費制存続に関する法改正についての会長声明

2011年(平成23年)2月4日
第二東京弁護士会 会長 栃木敏明
10(声)第12号

 2010年11月26日、司法修習生に対する貸与制導入の施行を本年10月31日まで延長する「裁判所法の一部を改正する法律」が国会で成立した。

 これまでの間、当会は、日本弁護士連合会及び各弁護士会と共に、司法修習費用給費制の存続を求めて、請願書の署名活動、パレード、街頭宣伝行動、国会議員要請、市民集会・院内集会の開催等、精力的に活動を行ってきた。請願書の署名については、全国で約68万筆、当会のみでも約3万8千筆を集約することができた。この法改正にご協力・ご尽力くださった、国会議員その他関係各位には、この場を借りて厚く感謝申し上げたい。

 他方で、今回の法改正は、とりあえず1年間給費制を延長するものにすぎず、当会が所期の目的としていた、貸与制を撤廃した上での給費制の完全復活が実現できたわけではない。衆議院法務委員会では、この1年間の延長期間内に、政府と最高裁判所が「個々の司法修習終了者の経済的な状況等を勘案した措置の在り方について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずること」と、「法曹の養成に関する制度の在り方全体について速やかに検討を加え、その結果に基づいて順次必要な措置を講ずること」を決議している。

 司法修習生の給費制の問題は、単なる個人の資格取得に関する問題ではなく、司法制度の人的基盤の確保と国民の権利の守り手の育成に関する問題である。通常国会の終了までに法改正が必要であることを考えれば、残された時間は限られている。当会は、政府や最高裁判所に対して、早期に内閣に検討機関を設けて検討を行うよう働きかけると共に、司法修習生に対する給与を支給する制度を維持することを求めて、国会、政府、最高裁判所さらには国民に対し、働きかけを鋭意行う所存である。

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