会長声明

2011/03/18

東北地方太平洋沖地震からの復旧復興活動について

2011年(平成23年)3月18日
第二東京弁護士会
会長 栃木敏明
10(声)第13号

 去る3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震における犠牲者の方々には哀悼の意を表するとともに、未曾有の地震・津波災害に直面された被災者の皆様に心よりお見舞いを申し上げます。さらには当該地震に端を発した福島第一・第二原子力発電所事故においては、周辺住民の皆様には避難等によりご苦労をされておられますことにつき重ねてお見舞いを申し上げます。今般の大地震はマグニチュード9.0という国内では観測史上最大のものであり、家屋の倒壊、火災、津波などにより、多数の死傷者が発生していると報じられていますが、地震発生から1週間を経過した現時点でも、被災の全容がとらえきれないということからも今回の巨大地震等の壮絶さを物語るものであると考えます。さらに、上記原子力発電所事故においては現時点においても予断を許さない状況が続いており憂慮しております。

 今回の未曾有の大災害により私たちの東京においても被災された方々が多数おられます。しかし、東京は日本の首都であり、他の被災地との関係でも災害復旧、復興のため尽力することが必要な自治体であることは論を俟ちません。災害対策基本法第5条の2には、地方公共団体が当該地域並びに住民の生命、身体及び財産を災害から保護するため、相互に協力するよう努めなければならないと定められています。同規定を見るまでもないことですが、政府はもとより東京都においても被災各地の被災者の受け入れ、物資の提供等に最大限の努力を尽くすべきです。現時点で、東京都では被災地で人工透析治療を受けられなくなった患者410人ほどを受け入れ始め、また、住宅に困窮されている住民に対し都営住宅等への受け入れを行うこととしたとの報道および発表がなされていますが、被災者の人権を擁護するため、さらに尽力することを当会は強く求めるものです。
 また、福島第一・第二原子力発電所事故は放射能漏れ、炉心溶融、建屋爆発等の非常に憂慮すべき事態となっていますが、政府は、被災者及び被災自治体への迅速かつ正確な情報の提供、適切な避難指示、避難所の確保および環境維持等により二次災害の防止に最大限の努力を尽くすべきであり、また、被曝者に対しては十分なケアをすべきです。
 その他、今回の大災害からの復旧、復興の過程では、被災者に対する人権侵害行為が横行することも懸念されます。現に、建物や電気設備の点検、義援金の募集などと称した、悪質な勧誘や詐欺まがいの行為も出ているとのことです。被災者らがこのような被害に遭わないよう、各自治体および関係機関は啓発活動に尽力されることを求めます。また、それと同時に、当会としても多くの法律問題の解決や被災者の皆様の権利回復に全力を尽くすものであることを誓うものです。

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