東電OL殺人事件再審開始決定に関する会長声明

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更新日:2012年06月07日

2012年(平成24年)6月7日
第二東京弁護士会会長 橋本 副孝
12(声)第1号

 2012年6月7日、東京高等裁判所第4刑事部は、ゴビンダ・プラサド・マイナリ氏にかかる「東電OL殺人事件」について、再審を開始するとともに、刑の執行停止をする旨の決定をした。
 本件は、当弁護士会が当番弁護士を派遣した捜査段階から関わり、一貫して地道な弁護活動を継続した結果が再審開始決定に至った事件であって、捜査段階での刑事弁護がいかに重要であるかを改めて示すものである。
 また、本件は、証拠開示が真実発見にいかに重要不可欠であることを明示するという観点からも意義深いものである。
 この決定は、有罪判決の証拠構造を詳細に分析した上、弁護人が新たに提出した証拠によって、合理的な疑いが生じたというもので、最高裁判所第一小法廷白鳥事件決定にも即した、常識的かつ公正な判断と評価できる。
 裁判所は、刑の執行停止決定に対する検察官の執行停止の申立てについても、職権を発動せず、これによって、既にマイナリ氏は釈放されている。
 マイナリ氏の無罪は、もはや明白である。検察官は速やかに再審決定に対する異議申立てを取り下げ、本件をこれ以上長引かせることなく、終結させることを、当弁護士会としても強く求めるものである。

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