家族法の差別的規定の改正を求める会長声明

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更新日:2013年09月13日
2013年(平成25年)9月12日
第二東京弁護士会会長 山岸 良太
13(声)第7号

 最高裁大法廷は本年9月4日、嫡出でない子の法定相続分を嫡出である子の2分の1とする民法第900条第4号ただし書前段(以下「本件規定」という。)につき、憲法第14条第1項に違反して無効であると判示し、本件規定が合憲であるとの最高裁大法廷1995年7月5日決定を変更した。決定の「理由」においては、「本件規定の合理性は、個人の尊厳と法の下の平等を定める憲法に照らし、嫡出でない子の権利が不当に侵害されているか否かという観点から判断されるべき」とし、「我が国における家族形態の多様化やこれに伴う国民の意識の変化、諸外国の立法のすう勢及び我が国が批准した条約の内容とこれに基づいて設置された委員会からの指摘、嫡出子と嫡出でない子の区別に関わる法制等の変化」等を総合的に考慮した上で、法律婚制度の下で父母が婚姻関係になかったという、子には選択等の余地のない事柄を理由として子に不利益を及ぼすことは許されず、「子を個人として尊重しその権利を保障すべきであるという考えが確立されているものということができる」として、「立法府の裁量権を考慮しても、嫡出子と嫡出でない子の法定相続分を区別する合理的な根拠は失われて」いるとした。
 今回の決定の結論及び理由とも、これまでの当会の主張と合致するものであり、極めて妥当である。
 日本は国際人権規約の自由権規約、社会権規約、女性差別撤廃条約及び子どもの権利条約を批准しており、政府は、これらの条約に沿うよう国内法を整備しなければならない。国連の自由権規約委員会、女性差別撤廃委員会、子どもの権利委員会及び社会権規約委員会(以下「国連の委員会等」という。)は、これまで、日本政府に対して、本件規定についての懸念を表明し、本件規定を廃止することを繰り返し求めてきた。婚外子と婚内子の平等化を図り差別を撤廃することは国際的潮流であり、相続分につき制限を設けていたドイツ、フランスにおいても既に相続における平等が実現している。国は、速やかに本件規定を削除し、婚外子と婚内子の相続分についての平等化を実現すべきである。また、「嫡出でない子」ないし「非嫡出子」という用語自体が差別的であるとして、国連の子どもの権利委員会から用語の廃止を勧告されている。改正にあたっては、「嫡出でない子」等の差別的な用語をも改めるべきである。
 なお、日本政府は、国連の委員会等から、上記婚外子差別のほか、選択的夫婦別姓を認めていないこと、女性のみに6か月の再婚禁止期間を定めていること、婚姻適齢について男女の差を設けていることについて、繰り返し懸念を表明され、民法改正のために早急な対策を講じるよう要請されてきている。国は、本件規定の改正と同様、夫婦同姓しか認めない民法第750条、再婚禁止期間を定める民法第733条、婚姻年齢に男女の差を設ける民法第731条についても、速やかに改正すべきである。
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