「特定秘密の保護に関する法律案の概要」に対する会長声明

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更新日:2013年09月17日
2013年(平成25年)9月17日
第二東京弁護士会会長 山岸 良太
13(声)第9号

2013年9月3日、内閣官房は「特定秘密の保護に関する法律案の概要」(以下「概要」という)を発表し、同月17日までにパブリックコメントを求めた。
 当会は、2012年3月22日の「秘密保全法制定に反対する会長声明」で同法の制定に強く反対したが、「概要」は上記声明の趣旨を十分に考慮せず、国民主権や重大な憲法上の権利の侵害をもたらしかねないものである。しかも、重大な問題を持つにもかかわらず僅か2週間という短期間で国民意見の聴取を行うなど、真剣に民意を聴取し重視する意向なのか強い疑いを禁じ得ない。
1 「概要」は、特別秘密の対象分野を「防衛」「外交」「外国図利目的の安全脅威活動の防止」「テロ活動の防止」の4分野とするが、その概念はなお曖昧で広範になる上、指定権者が当該情報を取り扱う行政機関の長とされており、その恣意的判断で、本来国民に開示されるべき情報が統制・隠蔽される危険性がある。加えて、その指定権者の判断が適正であることを担保する手続等についても全く言及がない。

2 また、「概要」は特定秘密の取扱者の管理に「適性評価制度」を導入する。しかしながら同制度は取扱者の債務、病歴などのセンシティブ情報まで調査できるものとなり、さらに、同人の配偶者やその親までも調査の対象になるといわれており、プライバシー権の侵害が極めて甚だしい。

3 さらに、処罰対象行為が漏えい行為の過失犯も処罰するうえ、未遂、共謀、独立教唆、扇動と極めて広範で曖昧であるため罪刑法定主義上問題で、処罰対象も極めて広範になり、通常の取材行為すら処罰されかねない。加えて最高刑も10年の懲役刑であるため、報道機関に対して萎縮効果を生じさせ、民主主義を支える国民の知る権利に資する取材の自由・報道の自由を侵害する危険性が高い。国会議員も処罰対象に含まれるため政策論議や国民との意見交換も封じられかねない。

 このように国民主権や重大な憲法上の権利の侵害をもたらす特定秘密保護法の制定には、当会は強く反対し、このような法案を政府が国会に提出しないよう求める。
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