特定秘密の保護に関する法律案の慎重審議を求める会長声明

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更新日:2013年12月03日

2013年(平成25年)12月3日
第二東京弁護士会会長 山岸 良太
13(声)第15号

 2013年11月26日、特定秘密保護法案が衆議院の特別委員会及び本会議で強行採決された。当会はこれまでも2012年3月22日に「秘密保全法制に反対する会長声明」、2013年9月17日に「『特定秘密の保護に関する法案の概要』に対する会長声明」を発表し、同法案に対する警鐘を鳴らしてきた。同法案が知る権利などの基本的人権を侵害する危険が大きく民主主義・国民主権原理と深刻な対立をもたらす危険があることを指摘し続けてきたのである。
 
 同法案については、特別委員会を含めてもわずか20日程度の審議しか行わないうちに採決されており、上記の通り国民の知る権利との重大な衝突が懸念されたにもかかわらず十分な手当がなされたとは言えない内容である。自由民主党、公明党、みんなの党、日本維新の会の4党合意で修正案が出されたが、その内容たるや、特定秘密の指定期間を最長60年とし、延長可能な例外項目も広範かつ曖昧にしたものであるし、附則で5年間特定秘密を指定しなかった機関を除外するなどと実質的に無意味な規定を入れるなど、およそ「修正」とは言えない。自民党幹事長の国民の意見表明行動を「テロ」と同視した発言にあるような解釈の曖昧さがこの法案の恐ろしさの本質を表していると言える。

 外交・防衛のためにある程度秘密を維持することが認められるとしても、主権者である国民に全く開示されない「特定秘密」の存在を許すことはできない。当該秘密の選定が適切であったのか、国民の知る権利を制限してまでも秘密にするべきであったのかは、客観的な検証が必要である。およそ特定秘密とされた事実が国民に全く開示されないままでは、このような批判的検証ができず、国民は政治の舞台からつまはじきにされたまま、単なる「統治の対象」に堕してしまう。情報公開の保障のない特定秘密保護法をこのような短期間で十分な審議を尽くさずに可決するなどということは許されない暴挙である。9月のパブリックコメントでも8割の反対があり、12月の新聞報道でも2割以上の国民が反対し5割以上の国民が慎重審議を望んでおり、この声を無視してはならない。

 このように国民主権や重大な憲法上の権利の侵害をもたらす特定秘密保護法の拙速な採決に強く抗議すると共に、「良識の府」である参議院における慎重な審議を強く望む次第である。

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