「袴田事件」再審開始決定に関する会長声明

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更新日:2014年03月27日

2014年(平成26年)3月27日
第二東京弁護士会 会長  山岸 良太
25(声)第19号

 本日、静岡地方裁判所刑事部は、袴田巌氏の第二次再審請求事件について、再審を開始し、死刑の執行を停止する決定をした。
 本件は、1966年(昭和41年)6月30日未明、旧清水市(現静岡市清水区)の味噌製造会社専務宅で、一家4名が殺害された強盗殺人・放火事件である。同年8月に逮捕された袴田氏は、当初から無実を訴えていたが、厳しい取調べを受け続けた結果、パジャマを着用して本件犯行を行ったと自白させられた。その後、一審公判中に、麻袋に入れられた多量の血痕が付着した5点の衣類が味噌タンク内から発見されたため、検察官は冒頭陳述を変更し、裁判所は、45通の供述調書中44通を警察における長時間にわたる強制的・威圧的な取り調べの結果作成されたものなどとして証拠排除したうえで、上記5点の衣類を着用して被害者らを殺傷し、途中でパジャマに着替えて放火したと認定し、死刑判決を下した。その後、1980年(昭和55年)11月19日、最高裁は袴田氏の上告を棄却し、死刑判決が確定した。
 袴田氏は、翌1981年4月に、第一次再審請求を、2008年(平成20年)4月第二次再審請求を申し立て、第二次再審請求では、弁護人の証拠開示請求に対し検察官が一部の証拠を任意で開示し、その後の裁判所の勧告によりさらに多数の証拠が開示された。その中には袴田氏の無実を示す極めて重要な証拠が含まれており、検察官がこれら重要な証拠を提出せず、これらの証拠と異なる主張をしてきたことは、極めて遺憾であった。
 本日の開始決定は、これらの開示された証拠などによって、5点の衣類は袴田氏が事件直後に隠した犯行着衣であるとした認定に重大な疑問が生じたこと、第一次再審請求で鑑定不能とされたにもかかわらず再度実施されたDNA鑑定で、5点の衣類に付着していた血痕が、被害者のものでも袴田氏のものでもないとの結果が出たことなどによって、袴田氏が犯人であるとする確定判決に合理的な疑いが生じたとするものであった。
 袴田氏は、現在、78歳の高齢であり、47年間の長期間の身体拘束によって心身に重大な影響を被っており、今回拘置の執行停止を決定したことは裁判所が袴田氏の救済に配慮したと考えられ、高く評価出来る。
 当会は、検察官に対して、本決定について即時抗告を行うことなく袴田氏を釈放し、速やかに再審公判手続きが開始されるよう求め、また、袴田氏が早期に無罪となることを強く願うとともに、取調べ全過程の可視化、証拠の全面的開示をはじめとするえん罪防止のための制度改革の実現を目指して全力を尽くす決意である。

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