憲法記念日を迎えて-集団的自衛権行使に反対する会長声明-

LINEで送る
更新日:2014年05月02日

2014年(平成26年)5月3日
第二東京弁護士会 会長 山田 秀雄
26(声)第3号

 本日、日本国憲法施行後67年目の憲法記念日を迎えました。
 日本国憲法を巡っては、現在、憲法上許されないとされる集団的自衛権の行使について、これまでの政府の見解および憲法解釈を変更し、これを容認しようという動きがあります。
 すなわち、現政権は、集団的自衛権の行使を容認するという憲法解釈の変更を、閣議決定にて行う考えを明らかにしています。
 しかし日本国憲法第9条は、「戦争と、武力による威嚇または武力の行使」を放棄するとともに、「陸海空軍その他の戦力」の保持を否定し、徹底した非戦・平和主義の立場をとっています。憲法第9条が存在する以上、国家として何らかの実力を保持することが認められるとしても、自国の安全を保障するために最小限の実力の保持および行使が認められるにとどまるのであり、集団的自衛権が認められないのは当然の帰結であって、従前の政府見解および憲法解釈は、この当然の帰結を確認したものです。したがって、憲法第9条の改正手続すら経ることなく、閣議決定により集団的自衛権の行使を容認することは、立憲主義を完全に否定するものであり、許されません。
 報道によれば、現政権は、いわゆる砂川事件最高裁判決を根拠に、憲法が認める必要最小限度の自衛権行使に、限定的な集団的自衛権が含まれるとも主張するようです。しかし砂川事件最高裁判決は、自国の安全を保障するために最小限の実力の保持および行使を容認するとしたにとどまるものであって、集団的自衛権を容認するものではないことは明らかです。
 また、憲法第96条を変更し、改正手続を緩和しようとの提案もなされています。しかしながら、日本国憲法は、立憲主義に基づき、一時の政治的熱狂により国民の利益(将来の国民の利益)が安易に侵害されないよう、国家権力を拘束するものであり、憲法第96条は、この立憲主義を担保するため憲法改正手続に熟慮と慎重さを求めるものです。この手続を緩和することは、立憲主義の基礎を崩すものであって、到底容認できるものではありません。
 憲法第9条は、悲惨な第二次世界大戦に対する深い反省から、徹底した恒久的平和主義を定めたものであり、その価値は普遍的なものであります。当会は、政府に対し、日本国憲法の立憲主義を堅持し、憲法上許容されない解釈変更を行うことがないよう、強く求める次第です。

もどる