死刑執行に抗議する会長声明

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更新日:2014年06月26日

2014年(平成26年)6月26日
第二東京弁護士会会長 山田秀雄
14(声)第6号

 本日、大阪拘置所において、1名に対する死刑の執行が行われた。谷垣禎一法務大臣による5度目の死刑執行であり、同大臣による死刑執行は合計9名に至っており誠に遺憾と言わざるを得ず、強く抗議するものである。
 当会は、死刑制度が、かけがえのない生命を奪う非人道的な刑罰であることに加え、罪を犯した人の更生と社会復帰の観点から見たとき、その可能性を完全に奪うという問題点を内包し、また裁判は常に誤判の危険を孕んでおり、死刑判決が誤判であった場合にこれが執行されてしまうと取り返しがつかないという根本的な問題もあることから一貫して死刑の執行を停止するよう求めてきた。
 本年3月27日、静岡地方裁判所は、袴田巖氏の第二次再審請求事件について、再審を開始し、死刑及び拘置の執行を停止する決定をした。誤判の危険が改めて明らかになったところである。
 国際的に見ても、2012年(平成24年)現在の死刑廃止国(10年以上死刑を執行していない事実上の廃止国を含む。)は140か国、死刑存置国は58か国であって、世界の3分の2が死刑を廃止ないしは停止している。また、死刑存置国のうち、2013年(平成25年)に実際に死刑を執行した国は、我が国を含め22か国にすぎなかった。平成25年5月31日には、国連拷問禁止委員会の総括所見が発表され、日本は死刑制度を廃止する可能性についても考慮するよう勧告を受けた。死刑廃止が国際的にも大きな潮流であることは明らかである。
 日本弁護士連合会においては、死刑のない社会が望ましいことを見据えて、2011年(平成23年)10月7日、第54回人権擁護大会において「罪を犯した人の社会復帰のための施策の確立を求め、死刑廃止についての全社会的な議論を呼びかける宣言」を採択している。
 裁判員制度において市民が死刑判決に関わらざるを得ず、困難な判断を迫られる状況の下で、死刑制度とその運用に関する情報の公開が進まずに公の議論が何ら行われないまま執行だけが繰り返されていることは、到底容認できない。
 当会は、今回の死刑執行に対し強く抗議するとともに、改めて死刑執行を停止し、死刑に関する情報を広く国民に公開し、国会に委員会を設置する等の方策をとることによって、死刑制度の廃止についての全社会的議論を直ちに開始するよう重ねて求めるものである。

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