接見室での写真撮影に関する最高裁決定についての会長談話

更新日:2016年07月29日

2016年(平成28年)7月29日
第二東京弁護士会 会長 早稲田 祐美子

 本年6月15日、最高裁判所第二小法廷は、接見妨害を理由とする国家賠償請求訴訟について、東京地裁の一部認容判決を取り消して請求を棄却した東京高裁の判決に対する上告及び上告受理申立を退ける決定をした。
 本件は、東京拘置所において接見中に被告人の健康状態の異常に気づいた弁護人が証拠保全のため被告人を写真撮影したところ、同拘置所職員より写真撮影・録画を制止され、被告人との接見を中止させられたというものである。
 上記高裁判決は、接見室内での写真撮影は「接見」に含まれないとし、東京地裁の一審判決のように逃亡や罪証隠滅等の蓋然性を検討することなく、単に刑事施設の規律及び秩序を害する行為があれば接見を中断できるとして、写真撮影等の禁止や接見を終了させる措置は弁護活動を侵害し違法であるということはできないと判示した。しかし、証拠保全等の弁護活動上必要な場合に弁護人が行う接見中の写真撮影・録画は、メモやスケッチと同様、被疑者・被告人との接見交通に不可欠な手段であり、当然に接見交通権の保障が及ぶものである。面会室内で行った撮影行為を理由に接見を終了させることは接見交通権を侵害するものであって、上記東京高裁の判断は極めて不当である。
 また、本件は、憲法に由来する接見交通権という極めて重要な論点を含むのであるから、最高裁はこれについての見解を明示すべきであった。
 にもかかわらず、最高裁は、憲法判断を示さないどころか、過去の最高裁判例と相反する判断の有無及び法令の解釈に関する重要な事項を含まないとして上告受理申立も退け、上記高裁判決を維持したものであり、極めて不当である。
 当会は、弁護人が被疑者・被告人との接見の際に、弁護活動上必要がある場合に、写真撮影・録画を行うことは、接見交通権として保障されるべき行為であることを表明し、写真撮影等を含む弁護人と被疑者・被告人との間の自由な接見交通を保障することを強く求めるものである。

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