憲法記念日を迎えての会長声明

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更新日:2017年05月02日

2017年(平成29年)5月3日
第二東京弁護士会会長 伊 東  卓
17(声)第2号

 本日、憲法施行70年目の憲法記念日を迎えました。
 日本国憲法は、第二次世界大戦の悲惨な経験と反省に基づき、個人の尊厳と立憲主義を基本理念とし、基本的人権の保障、恒久平和主義、国民主権を基本原理として制定されたものであり、わが国の最高法規です。全ての国家機関が憲法に拘束されるとすることで、国家権力の濫用から個人の尊厳と人権を守るつくりになっています。
 日本国憲法は、恒久平和主義を宣言するとともに、思想・良心の自由、信教の自由、表現の自由、知る権利、学問の自由、幸福追求権、法の下の平等、両性の平等、裁判を受ける権利等さまざまな人権を保障しています。この日本国憲法の下で、わが国の人々は、国際社会において信頼されるとともに、戦後70年以上、平和で豊かな生活を享受してきました。この平和で豊かな社会を次世代に引き継ぐことは私たちの責務でもあります。
 ところが、2015年9月に成立し2016年3月29日に施行された、いわゆる安全保障関連法は、憲法改正手続を経ることなく、歴代内閣が憲法上許されないとしてきた集団的自衛権の行使を容認するものであって、憲法前文及び同第9条に定める恒久平和主義に反するものであるとともに、立憲主義に反しているといわざるを得ません。また、2014年に成立した特定秘密保護法は、国民の知る権利を脅かすものであり、さらに、現在国会で審議中のいわゆる共謀罪法案(テロ等準備罪法案)は、憲法で保障された適正手続、思想・良心の自由、表現の自由、集会・結社の自由等の基本的人権を侵害するおそれを有しています。
 私たち弁護士は、弁護士法第1条に規定されているように、基本的人権を守り、社会正義を実現することを使命としています。
 憲法記念日を迎えるに当たり、私たちは、改めて日本国憲法の基本原理と立憲主義に立ち返り力を尽くしていく所存です。

憲法記念日を迎えての会長声明(PDF)

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