死刑執行に抗議する会長声明

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更新日:2018年12月27日

2018年(平成30年)12月27日
第二東京弁護士会 会長 笠井 直人
18(声)第13号

 本日、大阪拘置所において2名に対し死刑が執行された。報道によれば、このうち1名については、弁護人がついて再審請求中であったとのことである。第2次安倍内閣以降、死刑が執行されたのは、15回目で、合わせて36名になる。山下貴司法務大臣による初めての執行であり、1年間で合計15名という大量の死刑執行がなされたことになる。
 言うまでもなく、犯罪により奪われた命は二度と戻ってこない。このような犯罪は決して許されるものではなく、犯罪により身内の方を亡くされた遺族の方が厳罰を望むことは、 ごく自然な心情である。また犯罪被害者・遺族のための施策は未だ十分ではなく、これらの方々が必要な支援を途切れることなく受けることができるように支援することは、 弁護士会を含む社会全体の責務である。
 他方、生まれながらの犯罪者はおらず、多くは、家庭、経済、教育、地域等における様々な環境や差別が一因となって犯罪に至っている。 刑罰制度は、犯罪への応報にとどまらず、社会復帰の達成に資するものでなければならず、このような考え方は、再犯の防止に役立ち、社会全体の安全に資するものである。
 刑事司法制度では、誤判・えん罪の可能性を否定することはできず、誤って死刑を執行した場合、取り返しがつかない。 死刑に直面している者に対し、被疑者・被告人段階、再審請求段階、執行段階のいずれにおいても十分な弁護権、防御権が保障されるべきであり、再審請求中の死刑確定者に対する死刑の執行はこの観点からも問題の残るものである。
 また、国際社会においては死刑廃止に向かう潮流が主流であり、死刑制度を残し、現実的に死刑を執行している国は、世界の中では少数に留まっている。 このような情勢において、我々の社会も、犯罪被害者・遺族に対する十分な支援を行うとともに、死刑制度を含む刑罰制度全体を見直す必要がある。
 当会は、これまでの死刑執行に対しても強く抗議してきたところであるが、今回の死刑執行に対し強く抗議するとともに、改めて死刑執行を停止し、 日本弁護士連合会の第59回人権擁護大会における「死刑制度の廃止を含む刑罰制度全体の改革を求める宣言」に則り、2020年までの死刑制度の廃止を求めるものである。

死刑執行に抗議する会長声明(PDF)

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