いわゆる「谷間世代」の不平等是正の実現に関する会長声明

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更新日:2019年02月01日

2019年(平成31年)2月1日
第二東京弁護士会 会長 笠井 直人
18(声)第15号

 当会は、本年1月11日の臨時総会において、司法修習生の司法修習期間中に給与又は修習給付金を受けることができなかったいわゆる谷間世代(新65期から70期)に属する者のうち、当会に入会し、これまでに一般会費に加え会館特別会費を納付した会員に対し、当該会員が納付した会館特別会費相当額を支援金として支給することを内容とする会規の制定を議決した。これは、当会が、2017年3月27日の臨時総会において、会規の一部改正により谷間世代の会館特別会費を同年6月分以降免除したことに引き続いて行う谷間世代への経済的支援のための施策であり、これら一連の施策により、谷間世代に属する当会会員は、結果的に、旧65期までの当会会員に課されていた50万円の会館特別会費を支払わずに済むという措置を受けることができることとなった。
 谷間世代と言われる世代が生じたのは、旧65期修習生までは国から給与が支払われていたところ、新65期以降の修習生は、司法修習生の増加や国の財政的負担等を理由に無給・貸与制への移行を余儀なくされた一方で、2017年に裁判所法の一部が改正され、71期以降の修習生に対しては修習給付金(基本給付金として月額13万5000円、さらに必要な者に対しては住居給付金や移転給付金)が支給されることになったことによるものである。谷間世代の修習生も他の世代の修習生と同様に修習専念義務があり、原則として兼業が禁止される等の義務が課されていたことから、谷間世代のみが司法修習中に経済的負担を抱えざるを得なかったことについて、合理的な理由があるとは言い難い。
 当会は、従来から、法科大学院に対する積極的な教学支援や充実した実務修習プログラムの実施等、三権の一翼である司法の充実・強化とそれを担う法曹を養成する制度の充実・強化を重要な施策としてきた。谷間世代に属する者の経済的負担を軽減し、他の修習世代との間の不平等を是正することも、法曹が一体・一丸となって司法の充実・強化を図り国民の権利の保護と社会正義を実現するためには欠くことができない重要課題である。
 そもそも、司法を担う法曹は社会の人的インフラであり、その養成は公費によって行われるべきものである。そのため当会は、国に対し、谷間世代への是正措置の実現を強く求めてきた。日本弁護士連合会も、昨年(2018年)5月25日の定期総会において、谷間世代の者が、その経済的負担や不平等感によって法曹としての活動に支障が生ずることのないよう、引き続き国による是正措置の実現を目指すこと及び当連合会内で可能な施策を早期に実現することに力を尽くす旨決議している。
 冒頭で紹介した当会が行った谷間世代への経済的支援のための施策は、国による谷間世代への是正措置が実現しないまま修習資金の貸与金の返還が昨年(2018年)7月から始まってしまったことに業を煮やして行うものであり、谷間世代にとっては金額的にも不十分なものに止まっている。当会は、日本弁護士連合会等と連携しながら、引き続き国に対して、谷間世代に対する不平等を是正するための具体的な施策を早急に実現することを求めていく所存である。

いわゆる「谷間世代」の不平等是正の実現に関する会長声明(PDF)

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