イベントレポート

互助会運営委員会ロシア旅行レポート

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更新日:2019年11月22日
ロシア連邦最高裁判所 裁判官総会室にて(前列左から5人目がダビドフ裁判官)

モスクワ弁護士会、ロシア連邦最高裁判所を訪問しました。

第二東京弁護士会では、会員やその家族の親睦、さらに現地の弁護士会や裁判所等の訪問を目的として、年に1回、海外への会員旅行を行っています。今年は8月24日から30日に、ロシアのサンクトペテルブルグ・モスクワへの旅行を企画し、会員及びその家族約80名が参加しました。
8月27日には、ロシア連邦最高裁判所とモスクワ弁護士会を訪問しました。

ロシア連邦最高裁判所では、刑事局長のダビドフ裁判官ほか、二人の裁判官からお話を伺いました。会場は裁判官全員による「総会」を行う会議場。最高裁には約170名の裁判官が所属しており(全国では約3万人)、「総会」では法律上の争点や判決を検討して解説をまとめたり(その内容は全ての裁判所に周知される)、裁判所のあり方に関わるような法律に関しては最高裁判所による発議の制度があって、そのための検討を行ったりするとのことでした。具体的な事件を取り扱うのは「幹部会」と呼ばれる13名の裁判官からなる合議体で、下級審判決の見直しのほか、欧州裁判所の判断に従った再検討等も行うということでした。なお、ロシアの裁判所は普通裁判所(民事、刑事、行政事件を扱う)と商事裁判所の2系統となっており、最高裁判所も最近まで分かれていたところ5年前に統合されたそうです。
その他、司法の国際協力担当の裁判官やIT化推進担当の裁判官からもロシア連邦での取組状況を説明していただきました。IT化の取組は広大な国土を持つ国だけあって約20年前から始めており、裁判所だけでなく刑務所などとも通信設備を用いてつなぎ、被告人を移動させることなくTV会議をつかって裁判を実施しているとのことでした。

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ダビドフ裁判官から記念品を渡される田上副会長

モスクワ弁護士会ではポリャコフ会長をはじめ3名の役員が対応して下さいました。
ロシアにおいても弁護士会は弁護士法に基づいて設立されており、強制加入となっています。モスクワ弁護士会所属の実働弁護士は約8150名ということです。
交通事情のために訪問団の到着が遅れ、短時間の会合となってしまいましたが、刑事の国選事件における弁護人選任の方法や弁護士の秘匿特権を巡る問題など、弁護士会が直面する共通の課題で有意義な意見交換を行うことができました。モスクワ弁護士会のサイトにも今回の訪問に関する記事が掲載されています。

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モスクワ弁護士会にて(前列左から4人目がポリャコフ会長)

なお、今回の最高裁判所・弁護士会訪問にあたっては、日露法律家協会事務局長の小川晶露先生(愛知県弁護士会)、モスクワ弁護士会職員のイリーナさん、パベルさんに多大なるご協力をいただきました。この場をお借りして、改めて心からの謝意を表したいと思います。

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