イベントレポート

2019年度 第二東京弁護士会/ソウル地方弁護士会 交流会レポート

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更新日:2019年11月22日
当会・ソウル地方弁護士会の意見交換会
昼食会での歓談の様子

第二東京弁護士会とソウル地方弁護士会は、1989年(平成元年)に友好協定を締結し、以降、隔年でお互いの地を訪問しあい、会議や交流会(勉強会)を行うことで関係を深めてまいりました。
本年度(令和元年度)は、両会の友好協定締結30周年の記念するべき節目の年となり、10月10日に、ソウル地方弁護士会訪問団(朴鐘㝢会長を含む総勢11名)が第二東京弁護士会に来会されました。
当日、ソウル地方弁護士会訪問団は、午前中に当弁護士会を訪問し、当弁護士会の関谷文隆会長をはじめとする役員及び法曹養成・法科大学院委員会、裁判官制度等改革推進委員会、国際委員会を中心とする弁護士でお迎えした後、弁護士会館10階の会議室において、「法曹養成制度」に関する意見交換会が実施されました。
意見交換会では、当弁護士会の法曹養成・法科大学院委員会及び裁判官制度等改革推進委員会とソウル地方弁護士会からそれぞれ事前に質問があった項目に関する回答が行われたほか、両国のロースクール制度の相違点や現状の課題など、法曹養成制度及び裁判官の再任手続等に関する活発な意見交換が行われました。

午餐会は、同訪問団を当弁護士会の関谷文隆会長を始めとする役員及び当弁護士会国際委員会委員長とソウルチームを中心とする弁護士でお出迎えして、法曹会館において昼食を取り、午前中に引き続き両国の法曹養成等に関する意見交換が行われました。

午餐会の後には、当弁護士会の八杖友一副会長、藤井麻莉副会長、高齢者・障がい者総合支援センター運営委員会の山川委員長及び国際委員会ソウルチームの委員2名と共に、東京家庭裁判所後見センターを表敬訪問し、成年後見・保佐・補助に関する制度概要と実務の現状に関する説明を受け、質疑応答の後に、後見センターを視察いたしました。質疑応答の時間、ソウル地方弁護士会からは、成年後見開始審判の手続における後見センターでの審理に対する質問が集中しました。
家庭裁判所後見センターを訪問後、六本木にある国際文化会館に会場を移し、交流会が開催されました。

今年の交流会のテーマは「成年後見制度の現状と課題」でした。
最初に、ソウル地方弁護士会の宋仁奎成年後見制度特別委員会委員長から、成年後見人における割合や実務上の問題点、後見審判開始申立後の家庭法院での処理期間の在り方や、将来的な民法改正に向けた取組みなど、韓国における成年後見制度の現状と課題に関する報告がありました。
続いて、当弁護士会の八杖友一副会長から、日本における成年後見制度の概要、現状の複数の課題、成年後見制度の利用促進に関する法律と基本計画、運用改善に向けた取組み、そして、二弁ホームロイヤー制度や「ゆとり~な」設置による当弁護士会の成年後見制度への取組み等が報告されました。

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八杖友一副会長から、当弁護士会の成年後見人への取組み等についてご報告頂きました。

質疑応答の場面では、成年後見人の経験に基づく実務上の問題点や金融機関の預貯金の取扱いなど、両国が本格的な高齢化社会を迎えるにあたって、成年後見制度の在り方に関する活発な議論がなされました。

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交流会議の全体写真

夜には、国際文化会館において、当弁護士会主催の晩餐会が開催されました。今年度は、両会の友好協定締結30周年を記念して、駐日韓国領事館の金昇鎬参事官(金敬翰公使の代理)及び白承豪日弁連副会長をお迎えすると共に、交流会前日に日韓法律セミナーの講師を務められ、両会の友好協定締結時に当弁護士会副会長を務められた久保利英明会員にもご出席いただきました。
晩餐会では、両会の会長から、日本・韓国の弁護士が交流を継続することの重要性等、貴重なご挨拶を頂戴し、また、両会の友好協定締結30周年を記念して、記念品の交換も行われました。

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当弁護士会、ソウル地方弁護士会との記念品交換

乾杯の後は、ソウル地方弁護士会の皆様が、各テーブルに同席した当弁護士会会員との会話を楽しみ、国の登録有形文化財である同会館の庭に出て記念写真を撮るなどして、なごやかに交流が進みました。

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晩餐会の模様
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二次会も大変盛り上がりました!

現在の日韓両国政府の関係は複雑で困難な状況にありますが、このように、当弁護士会の国際委員会のソウルチームを中心に、当弁護士会とソウル地方弁護士会は、弁護士同士の民間交流を深め、より強固な信頼関係を構築しているところです。
今回、駐日韓国大使館から、金敬翰公使が公務により急遽欠席されたものの、金昇鎬参事官に代理としてご出席いただきましたことも、この場を借りて感謝申し上げます。
一人でも多くの弁護士が両会の友好関係及びそれに伴う活動に関心を寄せて頂ければ幸いです。

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