パリ弁護士会リーガル・イヤー参加レポート

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更新日:2020年01月27日
ド・ナヴァセル国際担当理事の自宅にて

 当会は2015年からパリ弁護士会と友好協定を締結し、その一環として、2019年9月19日・20日に渡り開催された国際共同セミナーは、延べ200人以上の日本人弁護士と100名以上のパリ弁護士会所属弁護士が参加して大成功のうちに終了しました。そのように関係性を深めてきたパリ弁護士会から、今年も弁護士会の新年度の開始を祝うリーガル・イヤーのセレモニーの招待を受け、11月27日から30日にかけて参加をしてきました。当会としての参加は、2015年、2018年に続き3回目です。

 27日初日にはまずパリ弁護士会理事の自宅に各国の弁護士会の代表団が招かれ交流を深めました。二弁が招かれたご自宅には、他にブラジル、イスラエル、ニューオリンズ、モロッコ、香港の弁護士会会長が参加されていました。

 28日には、秘匿特権及び国際人権に関する国際セミナーが開催されました。フランスはまだ企業内弁護士が認められていないこと、秘匿特権が確立していないことで、現実的にも企業や弁護士の国際的活躍が阻まれているという問題意識の下、企業内弁護士を認め、秘匿特権も法制化すること政府に提案をしている国会議員や、イギリス、ベルギー、ブラジル、ドイツの弁護士会の代表者たちとの間でディスカッションが行われました。

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 28日夜は、フランスの知の権威、アカデミーフランセーズの拠点であるフランス学士院で、パリ弁護士会主催の国際スピーチコンテストが開催されました。弁護士がその職務を遂行するだけで生命身体の危険が及ぶという国があるという現状から、弁護士の国際的連帯をテーマにした「弁護のための弁護」というテーマで若手弁護士たちが熱弁をふるいました。

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スピーチコンテスト会場
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フランス学士院

 29日がセレモニー当日であり、裁判所の中で、上院議長、司法大臣、パリ市市長の列席の下、パリ弁護士会会長のスピーチが行われ、今後の取り組むべき課題についての議論が交わされました。フランスにおいて弁護士一般もそうですが、パリ弁護士会の存在感は圧倒的であり、市民の権利の擁護のため、また弁護士自身の職業を守るため、このセレモニーでは毎年強い政治的メッセージが発せられます。セレモニーの前に、パリ弁護士会会長・副会長及び役員と外国の弁護士会代表で記念撮影を行いました。

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シテ島の裁判所前の階段での記念撮影
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パリ弁護士会会長のスピーチ。隣はパリ市長(真ん中)及び上院議場(左)
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裁判所でのセレモニーの様子

 セレモニー当日夜には、パリ弁護士会主催のディナーがフランス外務省のパーティ会場で開催され、改めて各国の弁護士会の代表団との交流の素晴らしい時間を持つことができました。

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フランス外務省にて
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フランス外務省。
この部屋でEUの前身となった
欧州石炭鉄鋼共同体を創設する条約が
署名されました。

 最終日の30日は恒例の裁判所の大広間を貸し切ってのダンスパーティです。深夜を過ぎたあたりからパリ弁護士会副会長がDJとなって、会長もDJブースに上って朝まで踊ります。フランスでは、弁護士同士の「連帯」というものを非常に重視していますが、このパーティも古くから弁護士同士の絆と弁護士会への帰属意識を高めるものとして行われています。パーティの参加は有料ですが、パーティの名前も「連帯のパーティ」と呼ばれ、売上は去年は無料法律相談のための資金に、今年は亡くなった弁護士の遺児たちのために使われるということです。毎年2000名程度の弁護士が参加します。

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パーティ用の照明がなされた裁判所
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当会藤井副会長と筆者及びパリ弁護士会の皆さん

 13世紀からの長い歴史を持つパリ弁護士会の社会的プレゼンスの大きさを対外的にも示す重要なイベントですが、様々な国の弁護士会会長とたくさんの意見交換ができること、弁護士の社会的存在について考えさせられる素晴らしい機会となっています。国際委員会としても、今後もパリ弁護士会と様々な交流を通じて、国境を越えた弁護士の連帯を探っていきたいと考えています。

文責:国際委員会 パリPT 金塚彩乃

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