会長声明

2012/03/21

改正情報公開法の今国会での成立を求める会長声明

2012年(平成24年)3月21日
第二東京弁護士会会長 澤井 英久
11(声)第10号

 当会は、2010年6月15日、枝野内閣府特命担当大臣(当時)が示した情報公開法改正の座長案に賛成する意見書を提出し、早期の改正を求めた。
 2011年4月22日、上記座長案をベースとした情報公開法改正案が内閣で閣議決定され、同日、第177回国会に提出された。しかし、第178回、第179回国会で審議されず、第180回となる今国会まで放置されている。
 改正法案は、国民の知る権利の保障を明文化するとともに不開示情報の範囲を限定して開示される情報の範囲を拡大している。これにあわせて、裁判所が行政機関に対し行政情報の提出を命じ裁判所のみが見分できる手続(インカメラ審理)を導入することになっている。これにより、これまで国家秘密の名の下に国民が知ることのできなかった行政情報を、裁判所が直接確認し、秘密とすることの妥当性をより具体的に、より厳格に審理することが期待される。
 また、開示決定の期限を短縮し、原則として開示請求の手数料を無料化し、訴訟における裁判管轄に原告の住所地の地方裁判所を加えるなど、開示請求者の利便性にも配慮し、一層の情報公開を促進する内容となっている。
 情報公開は民主主義社会の根本である。アメリカ合衆国第4代大統領ジェームズ・マディソンは、「人民のもとに情報がなく、それを取得する手段も存在しなければ、人民による政府とはいえ茶番か悲劇の始まりであり、おそらく、その双方である。」と述べている。
 原発事故では、政府の情報公開の遅れが批判された。この法案の審議が後回しにされてはならない。今こそ、国会は、改正法案の成立を通じて、一層の情報公開を迫らなければならない。改正情報公開法の今国会での成立を強く求める。

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