交通基本法シンポジウム~交通基本法を廃案にしてよいのか?~


交通は、円滑な人の移動及び物流を可能とし、国民の諸活動の基礎となるものであり、何人にとっても安全かつ快適な移動(交通)が確保されるべきです。他方で、交通は、事故、騒音、振動、大気汚染その他の公害、温室効果ガスの排出等によって、国民の生命、身体及び健康、自然環境、住環境等に重大な影響を及ぼすものでもあります。
この点、現在の我が国における交通政策は、しばしば必要以上に自動車に偏ったものになっていると指摘されます。自動車に偏った交通政策は、人権(安全性・公害・生活環境)・環境(騒音、振動、CO2など)に重大な悪影響を及ぼしており、さらにローカル鉄道等地域の公共交通の衰微をもたらした、との指摘です。自動車の利便性を生かしつつも、環境・安全面で優れた他の交通手段とのバランスある総合的な交通政策が必要でしょう。
2011年通常国会に提出された「交通基本法案」は、安全かつ快適な移動の権利の保障の欠如や、国、地方公共団体又は事業者の責務の曖昧さなど、不十分な点は数多くあるものの、その制定自体が、総合的な交通政策を形作っていく上での極めて重要な第一歩といえます。
しかし、交通基本法案は本年通常国会においても国土交通委員会に付託されているものの、法案審議の優先順位は低いと言われており、十分な理由もないまま廃案の危機さえ囁かれています。
今こそ、交通問題に関する第一人者を招き、環境・人権の観点から交通基本法の必要性と課題を議論し、交通基本法制定の重要性を改めて検証する必要があります。
【日時】
2012年5月23日(水) 18時から20時まで
(17時45分開場・申込み不要・入場無料)
【会場】
弁護士会館 3階 301号会議室
東京メトロ/霞ヶ関駅(丸の内、日比谷、千代田線)
1-b出口から直通、A1出口から徒歩2分、C1出口から徒歩3分
【主催】
第二東京弁護士会 環境保全委員会
【出演者(予定・順不同)】
パネリスト
辻元清美(衆議院議員、衆議院国土交通委員会理事)
古倉宗治(株式会社三井住友トラスト基礎研究所 研究理事)
佐藤清志(全国交通事故遺族の会・事故防止ワーキングチーム)
工藤一彦(当弁護士会環境保全委員会委員)
基調報告
中島 敏(日弁連環境委員会委員)
木内秀行(当弁護士会環境保全委員会委員)
コーディネーター
藤田城治(当弁護士会環境保全委員会委員)
【お問合せ先】
第二東京弁護士会 人権課(TEL:03-3581-2257)