津久井やまゆり園事件を受けての会長声明 (第二東京弁護士会) 2016年(平成28年)8月30日 第二東京弁護士会 会長 早稲田 祐美子 16(声)第4号  本年7月26日、神奈川県相模原市にある障害者支援施設において、19人の施設入所者が同園元職員に殺害され、また職員2人を含む26人が重軽傷を負うという極めて痛ましい事件が起きました。  亡くなった方々のご冥福を心よりお祈りするとともに、ご家族の方々には心よりお悔やみ申し上げます。怪我をされた方々においては、一日でも早く回復されることを願っています。  かかる痛ましい事件が起きたことで、直接の被害者・ご家族の方々のみならず、全ての障がいをもつ方々及び関係者らも、大きなショックを受け、本事件をきっかけに差別や偏見が助長されるのではないか等、ご不安を感じている方も多くいると思われます。  いうまでもなく、障がいの有無に関わらず、全ての人は、ひとりひとりがかけがえのない存在であり、生命・身体の安全、個人の尊厳が守られなければなりません。  当会では、これまでも、障がいをもつ方々と共に生活し、共に歩むために、個人及び関係団体への法的サービスの提供に加え、研修や勉強会などを通じて、差別解消、虐待防止のために積極的な活動を行なってきました。  さらに、今回の事件を受け、これまで以上に、障がいをもつ方々及びご家族らに寄り添い、抱えているご不安や生活上の様々な支障について解消する努力をしていかなければならないと決意を新たにしました。  また、本事件では、報道等で被疑者の発言や措置入院歴などがクローズアップされていますが、表面的な情報にとらわれるのではなく、二度と同様の事件を起こさないためにも、慎重に事件の本質、背景を解明していくことが必要であると思います。  そして、二度と同様の事件が起きないよう、私たち弁護士は、さらに努力を重ね、障がいをもつ方々が住みやすい社会を目指していく所存です。