ジュニアロースクール・イベントレポート(2015)

LINEで送る
更新日:2015年09月17日

 法教育の普及・推進に関する委員会(法教育委員会)は、平成27年8月5日、弁護士会館において「夏季ジュニアロースクール2015」を開催しました。
 ジュニアロースクールとは、中学生を対象に、毎年1回、細かな法律知識の背後にある原理や価値など法的なものの考え方を身につけてもらうために開催している体験型授業で、今年で4回目の開催となりました。
 今年は、参加希望者の中から抽選で50人の中学生を招待し、近年社会問題として取り上げられることが多い少年事件を題材として、参加生徒に加害者である少年の処遇を検討してもらうという内容の授業を行いました。
 授業は大きく午前の部と午後の部の2部構成となっており、午前の部では、少年の処遇を検討するのに必要な知識や考え方についてクイズを交えながら解説しました。そして、午後の部では、午前の部で習得してもらった少年事件における法的な知識や考え方を生かして、グループごとに担当を決めてもらい、少年や少年の両親、学校の担任教師への事情聴取や働きかけを行ってもらい(各配役は弁護士が担当)、少年の処遇を判断してもらいました。最終発表においては、参加生徒から、少年の家庭環境が改善する可能性に触れつつ、「少年の可塑性を考慮すると少年院送致とすべきでない」といった意見が出るなど、少年事件における法的な考え方を生かした議論が展開され、授業の目的を達することができました。
 法教育委員会においては、今回開催したジュニアロースクール以外に、小学校から高校までを対象に年27回(平成26年実績)の出張講義を行っています。しかし、ジュニアロースクールには、弁護士との昼食タイムや他校の生徒との交流など、学内で開催される出張講義とは異なる魅力もあります。
 法教育委員会では、来年以降もジュニアロースクールを通じてこのような実践的な法教育を提供し続けることを予定しています。

「B組のケン、逮捕されたってよ」

第1部:少年法の理念や基本的な知識を学ぶ。

スーパーの放火事件の犯人として逮捕されたのは、17歳の少年ケンでした。
ニュースではよく耳にする少年事件ですが、少年だと大人よりも罪が軽くなるの?そもそも少年って逮捕されるの?など、よく知らないことも多いですよね。
そのような基本的な知識や少年法の理念について、弁護士扮するワイドショーのコメンテーターのコメントを通じて、中学生のみなさんにも分かりやすく説明されました。

第2部:ケンの処遇について考える。

放火事件を起こしてしまったケンは、少年院に行くべきなのでしょうか、保護観察処分にして家庭で生活するべきなのでしょうか。
生徒のみなさんが自ら、弁護士扮するケンの父、母、担任の先生等、身近な人たちから事情の聞き取りをして、班のみんなと話合いをし、真剣に、ケンがどのように処分されるべきかについて考えました。

もどる