コラム

成年後見の申し立てをするにはどのようにしたらいいの?

自分の親が、認知症が進み、自分で財産管理を行えなくなったような場合、親に変わって財産管理などを行う成年後見人を選任する必要があります。この場合、成年後見人の選任の申し立てはどのように行うのでしょうか。

この点、成年後見人の選任の申し立てに際しては、押さえておく点がいくつかあります。

1 誰が申し立てることができるか

申し立てることができる者については、法律で決まっております。

主な申立権者は

本人

配偶者

四親等内の親族

です。ここから言えることは、身近な親族に申立権が認められているということと、遠い親戚や知人などには申立権は認められていないということです。

2 どこの裁判所に申し立てを行うのか

成年後見人の選任は家庭裁判所が行います。どこの裁判所に申立てをするのかという点については、本人の所在地を管轄する裁判所です。例えば、本人が東京に住んでいるのであれば、東京家庭裁判所に申し立てる必要があります。申立人が東京に住んでいるからといって、本人が横浜に住んでいるような場合に、東京家庭裁判所に申し立てることはできず、この場合、横浜家庭裁判所に申し立てる必要があります。

3 どのような書類が必要なのか

最低限必要な書類は、申立書のほか

本人の戸籍謄本、住民票(戸籍の附票)

本人の診断書

  本人の登記されていないことの証明書

  本人の財産に関する資料

 後見人候補者の戸籍謄本、住民票(戸籍の附票)

  が必要になります。

4 費用はかかるのか

ご自身で申立てを行う場合には、原則、裁判費用のみです(場合によっては鑑定費用もかかります。)。裁判費用の内訳は、①印紙(申立費用800円、登記費用2600円)と②予納郵券代(地裁によって異なります。)です。

弁護士に申し立てを依頼する場合には弁護士費用もかかります。同費用については、法律事務所によって異なりますので、依頼される法律事務所に確認して下さい。

5 その他

現在、申立ては自由に取り下げられないことになっておりますので、申立てにあたっては、十分検討のうえ申立てをして下さい。

  申立てに際しての詳細は、東京家庭裁判所・後見センターのホームページが役に立ちますので、参考にして下さい。URLは以下のとおりです。

http://www.courts.go.jp/tokyo-f/saiban/koken/

以上