コラム

死後事務について

 死後事務とは、亡くなった後の事務的な手続きです。「自分が亡くなった後のことは知らない」と言われる方もいますが、死後行う手続きとしては、①家族・友人への連絡、②葬儀・埋葬手続き、③役所・関係機関への届出、④生前の医療費・施設利用費など未払分の精算、謝礼金の支払、⑤遺品整理及び住まいの処分、⑥各種サービスの解約など多々あります。これらは遺言で依頼できる内容ではありません(遺言書に記載していても、法的強制力がありません)。ご自分の望んでいたとおりに死後の手続がなされるようにするには、遺言書のほか、任意後見契約などと合わせて、死後事務委任契約を作成しておくことが大切です。

 死後事務委任契約とは、本人が第三者(個人、法人を含む。) に対し、亡くなった後の諸手続、事務等についての代理権を付与して、死後事務を委任する契約をいいます。契約であるため、本人に意思能力が必要です。

 現在、社会福祉協議会が、認知症高齢者・精神障がい者等の方のうち契約能力がある方について、契約に基づき、低額な利用料で行っている日常生活自立支援制度は、死後事務については対応していません。また、民間事業者が、手続きの代行、任意後見、死後事務等の対応を提供していますが、高額の前受金の支払が必要となることもあるようです。これに対する取締法令や監督官庁はありません。

 第二東京弁護士会「ゆとり~な」では、弁護士会の監督のもと、これらの事務を行う弁護士をご紹介する「ホームロイヤー」制度を用意しています。お困りの際はぜひご相談ください。

(ご参考)コラム「ホームロイヤーを利用してみませんか」

http://niben.jp/soudan/service/management/column/entry/post_28.html