コラム

精神科病院の退院請求・処遇改善請求について

 統合失調症(昔は「精神分裂病」とも言われました。)などの精神障害を理由として強制入院させる制度があります。措置入院や医療保護入院です。入院治療が必要にもかかわらず,病識がないため入院に同意しない人がいる一方,入院の必要がないのに入院させられた人や,入院中にやるべき治療は終わったのに家族や地域での受け入れ先がないことを理由として長期間の入院を強いられている人がいます。そうした人たちのために退院請求という制度があります。また,入院中の待遇を改善して欲しいという人のために処遇改善請求という制度があります。ですが,東京ではどちらもあまり活用されていません。退院請求・処遇改善請求を取り扱う弁護士が少なく,そうした弁護士への連絡方法も限られていたことが一因と思われます。
 そこで,現在,東京の3つの弁護士会が共同して「退院等請求当番弁護士制度」を開始するための準備をしています(第二東京弁護士会は,令和元年11月から先行して実施しています。)。精神保健福祉について研修を受けた弁護士が退院・処遇改善請求の代理人となって活動します。退院・処遇改善請求は,仮に退院等に繋がらなくても本人が納得して治療に取り組めるようになったり,直ちに退院とはならなくても退院後の環境整備が進むきっかけになったりすることがあります。実は病院側にもメリットがある制度です。

 現時点でも退院請求・処遇改善請求について弁護士に相談することができます。依頼・相談は下記までご連絡ください。

【東京三弁護士会の高齢者・障がい者電話相談】
電話番号:03-3581-9110
月~金(祝祭日・年末年始を除く)10:00~12 :00,13:00~16:00
相談料金:無料 (15分程度)