コラム

「盲ろう者」に関する取り組みについて

みなさんは「盲ろう者」をご存じでしょうか。盲ろう者とは、目(視覚)と耳(聴覚)の両方に障害を併せ持つ方のことを言います。盲ろう者は、情報入手、コミュニケーション、移動など、日常の生活上、困難が生じます(注1)。2012年の調査によると、視覚と聴覚の両方の障害が身体障害者手帳に記載されている東京都内の盲ろう者は840名とされています(注2)。

 

第二東京弁護士会高齢者・障がい者総合支援センター(ゆとり~な)では、盲ろう者の総合的な支援事業を運営する東京都盲ろう者支援センター(以下「支援センター」)と連携して、2013年度より、盲ろう者のための学習会及び無料法律相談会を継続して実施しています。本年度の法律相談会(2024年10月22日開催)も、相談枠全てに予約が入るなど盛況のうちに終わり、8名の方の相談や生活上のお悩みをお伺いしました。

 

本年度(2024年度)は、新たに、「弁護士とのおしゃべり会」と題して、盲ろう者と弁護士がざっくばらんに意見交換などをすることで、盲ろう者と弁護士がお互いのことをより良く知り合うことを目的とした交流会を開催しました。弁護士が盲ろう者の生活上の苦労などをお伺いする貴重な機会となるとともに、盲ろう者と弁護士が、点字ブロックや就労等の社会的な問題について討論するなど、相互の理解がより深まる契機となりました。

 

また、弁護士が盲ろう者のことを学ぶため、当会弁護士を対象として、盲ろう状態を体験する疑似体験会や盲ろう者を取り上げたドキュメンタリー映画の上映会などを開催し、盲ろう者に対する支援の輪を広げる取り組みも継続して行っています。

 

今後も、ゆとり~なでは、支援センターと連携して、弁護士が盲ろう者への理解を深め、弁護士の専門分野を通じて盲ろう者への支援を行っていきたいと考えています。

 

なお、支援センターは、2024年6月に浅草橋から神楽坂に移転し、支援体制の充実が図られました(注3)。我々とともに、盲ろう者支援に携わっていただける弁護士の方の積極的なご参加を心よりお待ちしております。

 

注1: http://www.tokyo-db.or.jp/what/

注2: http://www.tokyo-db.or.jp/what/number/

注3: http://www.tokyo-db.or.jp/about/access/