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写真等の無断転載に関して金銭請求を代行する業者に注意を

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更新日:2020年08月24日

(1)無断転載に関する金銭請求の代行には資格が必要です

最近、写真やイラスト、漫画等のインターネットへの無断転載について、その賠償金の請求を代行するという会社が現れています。
このような賠償金の請求を代行・代理するには、弁護士や認定司法書士の資格が必要です(ただし認定司法書士については賠償額が140万円以下の事案しか代理することはできません)。これに違反する行為は非弁行為として、刑事罰(2年以下の懲役または300万円以下の罰金)の対象になります(弁護士法72条・77条3号)。もちろん株式会社もそのような業務を行うことはできません。
また、賠償請求ではなく使用料の徴収やライセンスの販売という名目であっても同様です。無断転載を理由に金銭を請求する以上は、名目を問わず法的には賠償請求であり、無資格で行うことはできません。

(2)無資格者に依頼をした場合、依頼者もトラブルに巻き込まれることがあります

このような違法な業務を行う会社(以下「非弁業者」といいます。)は、たとえば「督促費用」の名目で年利100%に達する利息を請求したり、根拠が明らかでない請求に及んだりするなど、違法・不当な請求を行うことも少なくありません。
非弁業者に依頼をした場合、犯罪行為や違法な請求を依頼したということで、依頼者もトラブルに巻き込まれ、または本来得られるべき賠償金が得られなくなる等、不利益を被る危険性があります。また、弁護士や認定司法書士でなければ裁判で請求することもできず、相手に無視されればそれまでであるという問題もあります。

(3)非弁業者が「弁護士を紹介する」ことはできません

更に、裁判が必要になれば弁護士を紹介するという業者もありますが、弁護士が非弁業者から事件の紹介を受けることは禁じられており、弁護士も刑事罰の対象となります(弁護士法27条・77条1号)。
非弁業者から弁護士の紹介を受けた場合には、是非、弁護士会にご相談ください。

(4)他の金銭請求や交渉に関する無資格業務にもご注意ください

無断転載に対する賠償請求に限らず、何らかの法的な権利を代わって請求したり、交渉したりする場合には、弁護士等の資格が必要です。
最近、退職の意思表示を代行するという退職代行業者、家賃減額の交渉にコンサルティングとして同席するという業者、滞納家賃の請求をするという業者も現れています。いずれも弁護士法上非弁行為の問題が生じる可能性が高いビジネスであり、トラブルに巻き込まれたという当会への相談も相次いでいますので、くれぐれもご注意ください。

(5)当会の対応について

非弁行為を行っている疑いのある業者に対しては、当会は他の弁護士会とも連携して厳正な対処を行っています。警告を行い、改善のみられない悪質な場合は刑事処罰を求めて刑事告発も行うこともあります。
非弁行為は、法律秩序を乱し、正当な権利の実現を損ねる行為ですから、これからも当会はその根絶を目指して取り組んでいく所存です。

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