会長声明・意見書

死刑執行に抗議する会長声明

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更新日:2021年12月22日

2021年(令和3年)12月22日
第二東京弁護士会会長 神田安積
21(声)第11号

 昨日、東京拘置所で2名、大阪拘置所で1名、合計3名の確定死刑囚に対する死刑が執行されました。
 当会は、本年3月に臨時総会で採択した「死刑制度の廃止を求める決議」の中で、次のように述べました。
 「私たちが目指すべきは、たとえ極めて重大な罪を犯した人であっても、将来の更生の道を完全に閉ざしてしまうのではなく、たとえ僅かであっても更生の可能性を信じ、本人の回復に向けた援助を提供し、ともに人間としての尊厳をもって生きることのできる社会である。極めて重大な罪を犯した人には、厳正なる刑罰が必要であるが、そのような罪を犯した人に死刑をもって臨むことは、私たちが目指す社会の在り方と相いれない。」
 この決議は、「誰一人取り残さない」というSDGsの理念に沿うものであり、OECD加盟国のうち、死刑制度を残している国が、米国、韓国と日本の3か国にとどまり、米国では連邦レベルで死刑の執行が停止され、韓国は20年以上死刑の執行が行われていないという国際的な潮流をも踏まえたものです。
 実際、我が国でも、2020年に東京オリンピック・パラリンピックの開催が予定され、また、本年(2021年)3月には京都での国連犯罪防止刑事司法会議(京都コングレス)が、また8月には延期されていた東京オリンピック・パラリンピックがそれぞれ開催される中、死刑執行に対して慎重な姿勢が続いていました。約2年ぶりの今回の死刑執行は、グローバルスタンダードと相いれないことを認識しながら、死刑制度を今後も存続するという国家としての意思の表明に他なりません。
 当会は、これまでも死刑執行に対して抗議する会長声明を発出してきました。今回の死刑執行に対しても強く抗議をするとともに、速やかに死刑廃止に向けた立法措置を講じ、死刑制度が廃止されるまでの間死刑執行を停止するよう重ねて政府及び国会に対して求めます。

死刑執行に抗議する会長声明(PDF)

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