イベントレポート

東京三弁護士会国際セミナー&パーティ ~職場におけるLGBTの権利とコンプライアンス~国際的な状況を踏まえ

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更新日:2020年01月27日

国際委員会副委員長(第3部会長)板倉陽一郎(61期)

 2019年10月8日、東京三弁護士会国際セミナー&パーティが弁護士会館2階クレオにて開催されました。同セミナー&パーティは、外国法事務弁護士との交流を目的に長年開催されているものであり、セミナーではビジネス寄りのテーマが取り上げられることが多かったところ、本年度は、国際的な状況も受けて、日本でも様々な議論が交わされているLGBTを取り上げるという意欲的な試みとなりました。新傾向のテーマであり、担当副委員長としては参加者数が気掛かりでしたが、最終的に例年並以上である113名の皆様にご参加いただきました。二弁の担当は統括会でした。

 セミナーでは、基調講演として、藤田直介氏(ゴールドマン・サックス証券株式会社LGBTとアライのための法律家ネットワーク共同代表第二東京弁護士会)・稲場弘樹氏(ゴールドマン・サックス証券株式会社LGBTとアライのための法律家ネットワーク理事)両名による「企業がLGBT施策に取り組む理由国際的動向も踏まえて」、寺原真希子氏(東京表参道法律事務所東京弁護士会)による「職場におけるLGBTの権利とコンプライアンス」、永野靖氏(永野・山下法律事務所東京弁護士会)による「職場においてLGBTが直面する困難」、アレキサンダー・ドミトレンコ氏(フレッシュフィールズブルックハウスデリンガー外国法事務弁護士事務所LGBTとアライのための法律家ネットワーク共同代表第二東京弁護士会)による「世界におけるLGBTの権利(カナダを中心に)」が行われたのち、パネルディスカッションが行われました。藤田・稲葉基調講演では、企業がLGBTに取り組むことは多様性から、企業自身の生産性を高めること、国連が掲げるSDGsにも整合的であること、寺原基調講演では、経営者はブーム的には取り上げるものの、特に人事部署では現実の問題として、日々の悩みがあること、永野基調講演では、ハラスメント、採用、処遇、配置転換等の就労の様々な場面での困難、ドミトレンコ基調講演では、日本はもっとこの問題に貢献できるはずだ、とのメッセージが、それぞれ印象的でした。パネルディスカッションでは、大変充実した議論、質問者弁護士の個人的体験も踏まえた質疑が行われました。

 パーティでは、恒例のマグロの解体ショーの他、地方で活躍される外国法事務弁護士からのメッセージを頂くという新趣向が加わりました。東京以外での外国法事務弁護士の活動は中々耳に入らないものであり、興味深く、また温かいメッセージを頂戴しました。

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 恒例となっている東京三弁護士会国際セミナー&パーティですが、新テーマの下で、国際業務を取り扱っている従来の参加者に加えて新しい顔ぶれの方にもご参加いただくことができました。来年度は二弁がパーティ担当弁護士会となりますが、本年度以上の充実したセミナー&パーティに向けて準備を進めていきたいと考えております。

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