イベントレポート

高校部会でオンラインジュニアロースクールを開催しました

LINEで送る
更新日:2021年04月23日

令和3年3月26日、法教育委員会の高校部会では、例年弁護士会館で開催しているジュニアロースクールを、初めての試みとなるオンラインで実施しました。高校生向けのジュニアロースクールは今回で3回目の実施となります。

当委員会の主催するジュニアロースクールは法的なものの見方・考え方を身につけてもらうことを目的に実施しており、今回、高校部会では「さよならプライバシー」と銘打って、大人目前の高校生に、何気なく提供等をしている個人情報について考えてもらい、個人情報についてどのような規制を課すことが適切なのかを考えてもらいました。

例年高校部会では、あるテーマを元に生徒さんたちに模擬立法をしてもらっています。本年は、オンラインでの開催ということで、イベント当日の前に2週間のメンタリング期間を設け、事前準備をしてもらい、イベント当日に立法案を発表してもらうという企画としました。メンタリングは三段階に分けて実施しました。Zoomを利用して話し合いをしてもらい、次回メンタリング日までの宿題を用意して検討をしてもらいました。生徒さんたちにもSlackに参加してもらい、メンタリング実施日以外にも意見交換や情報共有できる環境を整えました。

イベント当日は、グループごとに最終打合せをしたあと、グループごとに個人情報について、本人の同意が無くても取得してもいい情報の有無・内容、同意があれば取得していい情報の有無・内容、同意があっても取得してはいけない個人情報の有無・内容、個人情報について第三者への提供の可否、匿名加工により第三者への提供の可否、その他罰則等対応策等を発表してもらいました。

通信環境や設備不備等オンラインによる開催ならではの課題も見つかりましたが、想定していたよりもコミュニケーションへの影響はずっと少なかった印象です。これはSlackを用いて議論の復習や目に見える形で資料を共有できたことの功績でした。また発表方法も、パワーポイントでスライドを作成するグループや、アニメーションまで作り込むグループもあり、創意工夫がみられ、過去のジュニアロースクールと比較しても発表方法は一番充実していたのではないでしょうか。

個人情報という弁護士にとっても難しいテーマであり、これを短い時間で、基礎知識の勉強から問題点の把握、情報収集、意見の取りまとめまで行う等、高校生には非常に負荷をかけるものでした。しかし、イベント後、高校生からは「議論ができて刺激になった」「考えさせられる内容だった」「ニュースや新聞で個人情報の話題がでたら今までより敏感になる」等の意見が寄せられ、主催者側としてもこのイベントで高校生に残るものがあってよかったと改めてほっとしています。

もどる