イベントレポート

サマージュニアロースクール

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更新日:2021年09月24日

ジュニアロースクールは、法教育の普及・推進に関する委員会が例年実施しているイベントで、法的なものの見方・考え方を身に着けてもらうことを目的として行っています。今春(3月)、小・中・高校の部に分かれて実施しましたが、初のオンラインでの試みながら、どの部も進行はスムーズで、参加者の皆さんに満足していただける充実したイベントとなりました。
その一方で、中学の部は、刑事模擬裁判(評議)をテーマとしていたこともあって多数の応募があり、多くの生徒さんが抽選から漏れてしまいました。そこで、急遽、8月6日(金曜日)に、中学生を対象にサマージュニアロースクールを企画しました。今回も抽選となりましたが、少しでも多くの方に参加してもらえるよう、定員を約20名増やして実施しました。

チラシ使用した教材は、春のジュニアロースクールと同じく、この3月に完成したばかりの動画教材「竜宮町傷害事件」です。以下は、チラシ・ポスターからの引用です。
――深夜、海岸沿いの広場で傷害事件が発生!犯人は、現場にいた2人の男のどちらか1人。被害者は被告人が犯人だと主張するが、目撃者の女性は、犯人はもう1人の男だと主張。果たして犯人は被告人か?それとも別の男か?――

さて、当日、zoomに入ってきてくれた生徒さんたちは、海辺の事件にちなんで、「まぐろ」、「いか」など寿司ネタの名前を付けたチーム(6名×12チーム)に分かれ、各チームの弁護士や法科大学院生と懇談しながら授業開始を待ちました。
開始時刻の13時半、zoom上で参加者一堂に会しての挨拶が終わると、早速、動画を視聴しました。刑事手続きの基本を学んだ後、メモを取りながら、皆真剣に証人尋問・被告人質問に耳を傾けます。
その後、再びチームに分かれて、被告人が有罪か無罪かを検討しました。オンラインで初対面であったにもかかわらず、どのチームも生徒たちは活発に意見を交換し合いました。最初は有罪の心証であった生徒が、メンバーの意見を聞いて新たな視点で事件を検討し直した結果、無罪の心証を抱くに至ったり、またその逆もあったりで、グループ討論の醍醐味を十分に味わえる機会となったことと思います。最終的には、有罪チームと無罪チームが半々程度となりました。
発表は、6チームごとに2グループ(日本海と太平洋)に分かれて行いました。動機、証人と被告人との関係、視認状況、証言態度(「キョドってる」という今の子ならではの表現もありました)、客観的証拠との対比など、各チームそれぞれに工夫を凝らした発表がなされました。中には、教材を作成した弁護士も思いつかなかった分析もあり、参加弁護士・法科大学院生にとっても刺激的な時間でした。 楽しい時間はあっという間。最後にまた全員で一堂に会して挨拶をして、終了となりました。
webで実施したアンケートでは、「知らない人と話すことで良い経験となった」、「とても楽しく討論でき、さまざまな視点を知ることができた」、「一人一人の意見をちゃんと尊重してくれたし、ちゃんとまとめてもらえて大変身になったし、何より楽しかった」などの意見が寄せられ、このイベントを通して様々な学び、気付きがあったようです。
次回のジュニアロースクールは、来春(2022年3月下旬)に実施予定です。アンケートに「オンラインではない形でのイベントに参加出来るようになるといいと思います」という意見もありましたが、本当にそうなるといいですね!

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