イベントレポート

広尾学園中学 模擬裁判授業 イベントレポート

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更新日:2022年02月02日

法教育委員会の委員5名が、令和3年12月22日、広尾学園中学校を訪問し、2年生と3年生の希望者27名に対し、模擬裁判の授業を実施しました。
授業では、法教育委員会の委員が作成した、裕福な老人の家に出入りする証券外務員が老人に対する強盗殺人を犯したか否かを、書証、目撃者の証言や被告人の供述を元に考えてもらうという教材「家政夫は見たか」を使用しました。
まず、参加した生徒さん全員に、書証を配布した上で、「家政婦は見たか」のDVDを見てもらいました。このDVDでは、法教育委員会の委員が裁判官、検察官、弁護人、被告人および証人を演じています。DVDの冒頭では、刑事裁判の大原則である被告人無罪推定の原則と証拠裁判主義について説明し、裁判の冒頭手続と証拠調べ手続きの様子が録画されています。生徒さん達は、DVDを見ながら、真剣に、書証を読み、証人の証言や被告人の供述の要点をメモしていました。
DVDを見た後、参加した生徒さんに、5~6名ずつ、5つのグループに分かれてもらい、1時間程度、被告人が無罪か有罪か、そう考える理由について検討してもらいました。
検討時間終了後、各グループに検討結果を発表してもらいましたが、広尾学園の生徒さんは、プレゼンテーションの技術が高く、非常に説得的に自分達のグループが考えた結論とそう考えた理由を説明してくれました。どのグループも、無罪か有罪かを最後まで迷ったようですが、最終的には無罪と考えたグループが3つ、有罪と考えたグループが2つとなりました。その後、法教育委員会の委員が、生徒さん達の検討結果の講評を行い、将来、誰もが裁判員に選ばれる可能性があること、また、裁判のみならず、今回の検討で行った論理的思考を日常生活でも活かして欲しいという話をしました。
授業の終わりに、弁護士との質疑応答の時間を設けました。「弁護士が考えると、今回の事件はどちらの結論だと思うか?」などの今回の教材に関する質問、「有罪率が高い中で、刑事弁護にどのような意義があるのか?」など、刑事裁判に関する質問も多数あり、生徒さん達の刑事事件への意識の高さが伺えました。また、法曹に興味がある生徒さんも多く、「なぜ弁護士になったのか?」「15歳の時、何をしていたか?」など、生徒さん達の今後のキャリアプランに関わるような質問も多くありました。生徒さん達からは質問が絶えず、質疑応答の時間を当初予定していたより30分延長し、法教育委員会の委員が可能な限り多くの質問に答えました。
終了後のアンケートでは、多くの生徒さんが、「おもしろかった。」、「この授業を友人や後輩に勧めたい。」、「また、法教育や模擬評議のイベントに参加したい。」と回答してくれました。
この模擬裁判授業の様子は、広尾学園のホームページでも紹介されています。

模擬裁判体験プログラム(記事)
模擬裁判体験プログラム(アルバム)

法教育委員会では、現在も新しい教材を作成しています。今後も、できるだけ多くの生徒さんの論理的思考の育成、キャリアプランのアドバイスなどのお手伝いができればと思います。

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