イベントレポート

シンガポール弁護士会との交流会レポート

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更新日:2022年02月02日

第二東京弁護士会とシンガポール弁護士会は、2015年に友好協定を締結して以降、相互理解と親睦を深めて参りました。このたびシンガポール弁護士会カジュアル懇親会を企画し、2021年11月15日に実施いたしました。これは、2021年2月26日に実施したオンライン懇親会に引き続き、2度目の開催となります。当会からは2021年度の国際委員会の神庭豊久委員長を始めとする、国際委員会メンバー16名が参加し、シンガポール弁護士会からはGregory Vijayendran会長を始めとする21名が参加しました。
Vijayendran会長による開会の挨拶、神庭委員長の乾杯の挨拶に続き、それぞれが用意した料理やお酒を楽しみながら、リラックスした雰囲気の中で各参加者から1人30秒程度の自己紹介が行われました。

今回のカジュアル懇親会では、新しい試みとしてSpatial Chatというチャットツールが用いられ、参加者のカメラ映像や顔写真がアイコンとして表示され、参加者がアイコンを動かすことでグループごとのテーブルに移動して、近くの参加者同士で会話をしたり、時間を区切って他のテーブルに移動して他の参加者とも話すことができるなど、ヴァーチャル空間のなかに「距離」や「場所」、「存在感」といった要素があることで、カジュアル懇親会という目的と非常にマッチした企画になっていたように思います。

グループごとのテーブルトークでは、お互いの国の弁護士の東京、日本との繋がりやシンガポールとの繋がりについてのカジュアルな話題から、専門分野の法制度の違いについての話題など、非常に多岐にわたっていました。Spatial Chatでは、他の参加者のアイコンをクリックすると簡単な自己紹介や取扱い分野の説明が表示されるようになっていたため、シンガポール弁護士会の参加者から、こちらの参加者の取扱い分野について質問がされたり、そのトピックについてのシンガポールでの法改正などのニュースをシェアしていただいたりと、東京側の実務に強い関心をもっていただいており、役に立つ情報を提供したいという心遣いを感じました。東京側の弁護士同士でも、その先生の得意分野などをうまくフォローされていたり、スピーキングには特に不安なく交流を深めることができました。

後半では別の会場に移り(中央に桜の木があるヴァーチャルな和風空間でした。)、フリートークの時間が用意されていました。参加者は自分のアイコンを動かして話しかけに行ったりし、数人での会話が自然と生まれるような工夫がされていました。一通り会話を楽しんだ後は、空間内を移動して他のグループがどんなトピックについて話しているかを聞きつつ、気になる話題があればそこに加わったりと、適度にお酒も進んで会話も弾み、まさにカクテルパーティに参加しているような感覚でした。

国際仲裁の分野では、シンガポール国際仲裁センター(SIAC)が広く知られているところですが、同じく有名な香港国際仲裁センター(HKIAC)の位置付けについては昨今の中国の情勢からして影響が生じざるを得ず、今後のシンガポールや日本の立ち位置はどうなっていくのかという点は両国の弁護士が強い関心をもっているようでした。

今回のシンガポール弁護士会とのカジュアル懇親会は、国際委員会シンガポールチームの西脇威夫チーム長の閉会の挨拶で好評のうち幕を閉じ、前回から更にオンラインでの懇親、交流のための工夫が重ねられておりました。これまでの実績から、現在のように海外渡航が難しい状況や、より多くの弁護士が気軽に参加しやすいようにする方法としてオンラインでの懇親会は非常に有用であることが確認できたため、今後他の企画にも積極的に応用していきたいところです。

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