イベントレポート

高校生向けジュニアロースクールを開催しました

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更新日:2022年04月25日

3月29日、法教育委員会の高校部会が高校生向けジュニアロースクールを開催しました。今回もonlineでの開催でした。

本年4月1日から成年年齢が18歳に引き下げられ、誕生日の早い方は高校3年生のうちに、遅い方でも高校を卒業した後は法定代理人(親権者や未成年後見人)の力を借りずにひとりで契約を締結できるようになりました。これを受け、今回は、高校を卒業して大学に進学した際の新生活での部屋探しというシチュエーションで「弁護士を相手に交渉!?」というテーマでジュニアロースクールを実施しました。

onlineでの実施ということもあり、昨年度と同様、イベント前にDay1としてメンタリングをする日を設けました。生徒の皆さんのDay1参加希望日に基づき班分けをし、契約とは何か、賃貸借契約の条件はどのように定められているか、大家さんとの交渉はどのようにすると良いか(説得的な話し方とはどういうものか)ということについてサポート担当の弁護士が説明をした上で、班のメンバーで、対象物件を選び、交渉する条件を決めて、その条件の変更に関する説得的な交渉内容を検討していただきました。
今回の準備にあたっても大学生にインターンとして参加をしていただき、大学生が一人暮らしをするのに適した物件探しを手伝っていただいたり、建物賃貸借契約で問題となる条件等についていろいろと意見を出していただいたりしました。それらをもとに、参加生徒の皆さんになりきってもらう人物像を創りあげ、入居対象となり得る物件を3つ用意しました。

イベント当日は、メンタリングを担当した弁護士とは別の弁護士がクセのある大家(賃貸人)となり、ペット禁止、楽器演奏(YouTuberとしての活動)応相談、宴会等禁止などの制限のある物件への入居を希望する生徒の皆さんとの交渉に臨みました。事前準備の際にはそれほど想定をしていなかった賃料自体についての交渉や、敷金、礼金を交渉のネタにする班もあり、いずれの班においても、条件変更について説得的な内容で交渉を進め、大家が譲歩(納得)をせざるを得ない状況に追い込まれるほどでした。

online開催ということもあり、今回は東京都内以外の高校、さらには国外のインターナショナルスクールの生徒さんの参加もあり、生徒の皆さんも相互に刺激を受けたものと思われます。イベント後、「グループで話すことで自分では思いつかないような意見を交換することが出来てよかったです。また各班の発表を聞いてお金の面で考え方に違いがあるのが面白かったです。」「自分の班と他の班で全く同じことについて議論しているにも関わらず、全然違う結果になったりしていてとても面白かったです。」「海外から参加しているひともいて様々な視点から意見を聞くことが出来て貴重な経験になりました。」などという感想が聞かれました。
また、「休憩時間にグループにいた弁護士の方とお話しさせていただいたときにドラマの監修をしたりスポーツ選手の代理人をしたりと刑事事件みたいなもの以外のお仕事をされていることを知ったので弁護士としてどんな内容の仕事をしているかについての授業を実施してほしいと思いました。」という声もあり、リアルで開催ができればもっといろいろなことを伝えられるということを改めて感じました。
onlineにはonlineの、リアルにはリアルの、それぞれ利点がありますので、次回以降、いろいろな可能性を考えて準備を進めたいと思います

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