イベントレポート

ジュニアロースクール(中学校)

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更新日:2022年04月25日

2022年3月28日、中学生対象のジュニアロースクール(刑事模擬裁判)が開催されました。
ジュニアロースクールは、法教育の普及・推進に関する委員会が例年実施しているイベントです。参加した生徒の皆さんに、法的な考え方を理解し、実践していただくことにより、身に付けてもらうことを目的としています。
今回のジュニアロースクールも、いずれも刑事模擬裁判として行った昨年3月のジュニアロースクール、昨夏のサマージュニアロースクールに引き続き、オンラインでの実施となりました。

使用した教材は、この3月に完成したばかりの動画教材"「学校仮面」~怪盗来りて旗を盗る~"です。ある学校から校旗が盗まれたという架空の事件をもとに、被告人が犯人か否か(犯人性)を検討してもらうという教材となります。

当日の様子をご紹介します。まず、生徒の皆さんに5~6人ずつ、9チームに分かれてもらいました。各チームには、今回の動画教材が怪盗ものであることにちなんで、「ホームズ」「ポワロ」「明智」など名探偵の名前が付けられています。各チームでブレイクアウトルームに分かれた生徒の皆さんは、各チーム内で、そのチームを担当する弁護士・司法修習生・法科大学院生や他の生徒と懇談をしながら開始を待ちました。
開始時刻の13時半に全体ルームに戻り、参加者が一堂に会したところで、いよいよジュニアロースクールのスタートです。
はじめに、刑事手続の2つの大切な原則-無罪推定の原則と証拠裁判主義-を学んだ後、証人2名の尋問と被告人質問の法廷劇を視聴しました。
その後、各チームに分かれ、被告人が犯人か否かやその根拠について検討してもらいました。緊張していたためか、最初のうちは口数が少なかった生徒さんたちも、あっという間に慣れて、どのチームでも活発な意見交換が行われました。ある生徒が出した意見について、同じ証拠から違う見方もできるのではないか、他の証拠からは別の解釈が導かれるのではないか、別の視点から検討するとまた違った結論が導かれるのではないか等々、生徒さんたちがお互いに自由に意見を言い合い、斬新な視点や深い考察力にチーム担当の弁護士も驚き、感心させられることもしばしばでした。
発表では、チームごとに、最終的な結論(有罪か無罪か)、その結論を導くにいたった理由などを説明してもらいました。同じ結論であっても、チームにより着眼点が異なっており、生徒たちには、様々な角度から考えることの面白さを実感してもらえたことでしょう。また、チーム内の多数意見が最初と最後で変わったチームも複数あったようです。模擬裁判という枠組みの中で、お互いに根拠を持って議論し合う経験ができたからこそだと思います。
Webで実施したアンケートでは、「難易度の高い事件だったが議論が白熱して楽しかった」、「刑事裁判に関する説明が丁寧で法律用語も理解できた」、「有罪・無罪の判断が難しかった」、「本物の刑事裁判に近い貴重な経験をすることができ」たなどの意見が寄せられました。このイベントを通して多くの学び、気づきがあったようで、大変うれしく思います。
この夏にも開催する予定ですので、今回参加できなかった生徒さんは奮ってご参加ください。

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