イベントレポート

出張授業「インターネットリテラシー」と「『事実』を読み取るチカラ~情報との接し方」

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更新日:2022年06月09日

法教育委員会では、令和4年5月11日に、中央大学附属中学校1年生の皆さんに、「インターネットリテラシー」と「『事実』を読み取るチカラ~情報との接し方」の出張授業を行いました。

一コマ目の「インターネットリテラシー」の授業では、まず、情報発信の重要性についてお話ししました。

社会において、人々が自由に情報発信できるということには色々な意義があります。今回は、弁護士による出張授業ですので、民主主義社会において、情報発信は社会を変える力になるということを重点的にお話ししました。ただ、大きな力を持つ以上、その力を使うことには責任が伴います。特に、インターネットによる情報発信は、冷たく受け取られやすい、拡散が容易などの特性があり、対面によるコミュニケーションとは異なった注意が必要となります。生徒の皆さんには、自分や他人の権利を傷つけないようにするにはどのようにインターネットで情報を発信していけばいいかということについて、こちらで用意した具体的なケースを検討していただきました。

生徒の皆さんは、具体的なケースにおいて、どのような点が問題になるかを真剣に考え、積極的に発言してくれました。弁護士から、具体的なケースで問題となった場合に負う可能性のある法的な責任や社会的な不利益についてもお話しし、一コマ目を終えました。

二コマ目の「『事実』を読み取るチカラ~情報との接し方」では、私たちが普段接している情報には事実と評価とが混在しており、たとえ事実が同じであっても、書き手がその事実に加える評価次第で、受け手にとっては、その情報の印象が異なることをお話ししました。

その後、各クラス6グループに分かれ、ある人物が時計を盗まれた事件の新聞記事を書くというワークを行いました。全グループ共通の基本情報を伝えた上で、グループごとに異なる方針で記事を書いてもらうというワークです。

具体的には、いくつかのグループは、インパクト優先で犯人を特定する方針の記事を、他のグループは、犯人かどうかは決めつけず、変な印象を持たせないような方針の記事を書いてもらいました。

ワーク終了後、各グループに書いた記事を発表してもらいましたが、どのグループも基本情報から、自分の方針に有利な事実を抜き取って、自分の方針に沿う記事を書いてくれました。自分と異なる方針で記事を書いたグループの発表に対しては、生徒の皆さんから驚きや賞賛のコメントがありました。実際に、異なる方針の記事を書いてもらうことで、書き手の意図によって、情報の印象が異なることを体感してもらえたと思います。二コマ目の最後に、生徒の皆さんには、今日経験したことを、今後自分が情報を発信していく時や受信する時に生かして欲しいということを伝えました。

中央大学附属中学校のホームページにアップされた授業の様子の紹介です。
https://www.hs.chuo-u.ac.jp/news_topics/40635/
生徒の皆さんの感想に触れ、今回の授業が、生徒の皆さんにとって、インターネットによる情報発信の持つ可能性について考え、また、責任あるインターネットの使い方を意識するきっかけとなったであろうと思います。

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