イベントレポート

「成年年齢引下げに関する模擬立法」をテーマとした出張授業を行いました

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更新日:2022年06月23日

法教育委員会では、2022年6月6日、都立杉並高等学校の3年生に対し、「成年年齢引下げに関する模擬立法」をテーマとした出張授業を行いました。
このテーマは、本年4月に成年年齢が20歳から18歳に引き下げられたことを受け、その是非について生徒の皆さんに考えてもらう内容になっています。テーマがホットなものであることから、昨年に引き続き、学校側からのオファーの多い授業です。また、模擬立法という授業の性質上、冒頭で、法律とはどういうものか、どのように作られるものか、ということを説明したり、表現の自由の保障の下、「みんなも社会の一員として世論を形成し政治に影響を与えてより良い社会の実現に関わることもできるんだよ」ということなども伝えたりしています。
生徒の皆さんには、ざっくばらんに「大人ってどういうこと?」を考えてもらってブレインストーミングをした上で、スライド資料などを見ながら成年年齢を何歳とするのがよいのかをグループで考えてもらいました。グループワークのポイントとして、グループの他の人に自分の考え(結論)を伝えるときには、どうしてそう思ったのか、という理由も伝えましょうということを説明しましたが、生徒の皆さんはそのことに留意し、感情的ではない論理的な議論展開が出来ていたと思います。
その結果、グループワーク後に発表してもらった各グループの立法案もよく考えられた面白い案が色々と出ました。なかでも、18歳の時点で、慣れ親しんでいる契約(例えば、携帯電話の利用契約など)は自分の判断でできるけれど、慣れ親しんでいない契約については、18歳では難しいから、18歳でできる契約、19歳でできる契約、20歳でできる契約という風に段階的に解禁していくという法案については、実際の立法作業の大変さはさておき、なかなか面白い案だと思いました。
生徒の皆さんには、限られた時間ではありましたが、社会の問題について考え、他者と論理的に議論するという体験をしたことを今後の生活に生かして欲しいということを伝えて、この日の授業を終えました。

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