イベントレポート

出張授業 18歳成人~社会の一員として主体的に消費・契約する~

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更新日:2022年08月03日

法教育委員会では、夏休みに入る直前の7月19日、広尾学園高等学校の1年生の皆さんに「18歳成人 ~ 社会の一員として主体的に消費・契約する ~」というテーマで出張授業を行いました。

まず、本年4月1日から成年年齢が18歳に引き下げられたこと、契約締結における成年と未成年との具体的な違い、未成年者取消権などについて説明をし、契約とは何か、契約自由の原則、契約の効果などを解説した上で、グループに分かれ、さらにグループ内で賃貸人と賃借人とに分かれて建物賃貸借契約を作成するというワークをしていただきました。

いろいろな契約条件について和気あいあいと盛り上がる中、高校1年生とは思えない立派な契約書が作成されました(例えば「1.甲は乙に対し、◯◯県~◯丁目広尾アパート303号室(以下「本物件」)を賃貸し、乙はこれを賃借する。」など。)。想定していたレベルをはるかに超える結果に、事前に準備していた説明内容を急遽変更し、本物の契約書に基づいていると言っても過言ではないほど、具体的詳細な補足説明をすることとなりました。

最後は、いわゆる消費者トラブルの実例を紹介し、それぞれのトラブルにおける注意点について生徒の皆さんに検討をしていただきました。重要な注意点がしっかりと発表され、講師の補足説明は派生的な問題に言及するまでに拡がりました。

成年になりたての若者が巻き込まれやすいトラブルについての注意をするだけでなく、エシカル消費などポジティブな側面についても言及し、「狙われる18歳」ではなく「未来を創る18歳」になろうというメッセージを伝えて授業を終えました。

そして、授業後、何人かの生徒さんから、賃貸借契約書を改めて検討したので見て欲しいというメールをいただきました。送っていただいた契約書の完成度にも驚きましたが、何より、ここまで授業に向き合っていただけるということを有り難く思いますし、我々弁護士もさらに勉強を重ねなければと考えさせられました。

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