イベントレポート

出張授業 中央高等学院 『犯罪の「加害者」にも「被害者」にもならないために』

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更新日:2023年03月14日

1 民事介入暴力対策委員会では、学校法人中央国際学園のご依頼により、2023年1月23日、通信制の中央高等学院の池袋校で、同月24日、同学院のさいたま校にて、『犯罪の「加害者」にも「被害者」にもならないために」なるお題で、「特殊詐欺」及び「薬物犯罪」について、高校2年生に向けて、お話をさせていただきました。当日は、通信制の高校らしく、吉祥寺本校や渋谷原宿校、千葉校、横浜校、名古屋本校からも生徒さんと先生が参加してくれました。
生徒さんには、民暴委員会の概要を話してから、「暴力団とは何か」、「半グレとは何か」について、わかりやすいように、具体例を交えつつ、お話をしてから、「特殊詐欺」や「薬物犯罪」に話を進めていきました。

2 「特殊詐欺」について
「特殊詐欺」とは、犯人グループのうちの「かけ子」と呼ばれる一団が面識のない被害者に電話をかけるなどして信頼させ、指定した預貯金口座に現金を振り込ませたり、犯人グループのうちの「受け子」と呼ばれる一団が被害者宅を訪れて現金を受領したりするなどのさまざまな方法により、不特定多数の者から現金を騙し取る犯罪の総称です。「オレオレ詐欺」や「振り込め詐欺」も「特殊詐欺」の一類型です。
こうした犯罪には無縁と考えている若者が多いのですが、最近は、中高生にまで、「受け子」が広がってきているという報道からもわかるとおり、「受け子」の大半は、若者がアルバイト感覚で引き受けてしまい、逮捕起訴されると、詐欺罪の実行犯として重く処罰されます。
今回は、高校生向けの授業でしたので、高校生が罪を犯してしまった場合、どのような手続きで処罰されるのか、少年法も解説しながら、「加害者」にならないために、犯罪の加害者やその家族の人生がどのように変わってしまうのかについても、具体例を挙げつつ、授業を行いました。

3 「薬物犯罪」について
「薬物犯罪」も、最近、大麻を中心に、若者が摘発される事例が急増しています。
誤解されていることが多いのですが、大麻にも、暴力団の資金源とされている覚せい剤や麻薬のように、依存性や耐性があり、身心への悪影響が指摘され、薬物を購入する目的や幻覚から別の犯罪を起こしてしまうことも少なくありません。
大麻は、大学生だけでなく、高校生にまで広まってしまっており、若者の摘発が急増しているのは、前述のとおりです。
この日の授業でも、薬物犯罪に巻き込まれてしまわないように、毎日の生活をどのように送るべきか、についても、お話をさせていただきました。

4 参加者の感想
両日を通じ、アンケートにご協力をいただきましたが、「特殊詐欺や薬物などの手を染めやすい犯罪についてさらに危機感をもちました。」、「自分は関係ないと思ってもいつどこで関わってしまうかわからないので気をつけたいと思った。」、「こういう犯罪は思っているよりも近くにあるかもしれないということがわかりました。もし何かがあって詐欺や薬に誘われたりしても、喜ぶのは怖い人たちということが分かったので、絶対に乗らないように気を付けようと思いました。」といった感想をいただき、講師を務めた弁護士の思いがうまく伝わったことが実感できました。
教員の先生からも、「特殊詐欺や薬物は、自分には関係ないと思っている生徒が多いと思いますが、意外と身近なところにあるということが伝わったと思います。立ち止まる勇気、想像力をもつ、相談する勇気。生徒は今後の参考になったと思います。」、「今まさに必要な内容の授業であった。特殊詐欺の仕組みや実際に加担してしまった人の話など、なかなか聞くことができない話を聞くことができ、とてもためになった。生徒は案外身近なことだと驚いていた。クイズを取り入れたり、動画があったりと飽きさせない工夫が感じられました。」というありがたい感想もいただきました。
これからも、教材をアップデートして参りますので、こうした授業の実施を望んでいる学校がありましたら、民暴委員会までご一報ください。

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