イベントレポート

出張授業 広尾学園中学校 刑事模擬評議のご報告

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更新日:2023年05月10日

法教育の普及・推進に関する委員会(以下「法教育委員会」といいます。)では、弁護士5名が、2023年3月16日、広尾学園中学校を訪問し、3年生の希望者19名に対し、刑事事件の模擬評議の授業を行って参りました。

授業では、法教育委員会の委員が作成した教材「学校仮面~怪盗来りて旗を盗る~」を使用しました。
この教材では、巷を騒がす連続校旗窃盗犯『学校仮面』という怪盗と同じ姿をした犯人が犬神高校から校旗を盗み出すという窃盗事件が起きるのですが、その事件で起訴された被告人がその近所に住む私立探偵だったという内容で、その被告人が校旗窃盗の犯人なのかを検討してもらうというものです。
まず、参加した生徒さん全員に、書証を配布した上で、教材の動画を視聴してもらいました。
この動画では、法教育委員会の弁護士が裁判官、検察官、弁護人、被告人及び証人を演じています。動画の冒頭では、刑事裁判の大原則である被告人無罪推定の原則と証拠裁判主義について説明し、裁判の冒頭手続と証拠調べ手続きの様子が収録されています。
参加した生徒さん達は、動画を視聴しながら、書証と画面を見ながら、証人や被告人の発言を熱心にメモを取っていました。

動画を視聴してもらってから、参加した生徒さんに、4~5名ずつ、4つのグループに分かれてもらい、60分程度、被告人が無罪か有罪か、そう考える理由について検討してもらいました。
検討時間終了後、各グループに検討結果を発表してもらいましたが、広尾学園中学校の生徒さんは、こうした発表に慣れているようで、自分たちのグループの結論や理由を的確に説明してくれていました。事実や証拠をプロ顔負けの鋭さで拾い上げて、多角的に検討してくれていたのが印象的でした。各グループとも、被告人が無罪か有罪かの結論については、かなり悩んだようで、最終的には、「無罪」と考えたグループが3つ、「有罪」か「無罪」意見が分かれたグループが1つとなりました。
その後、法教育委員会の弁護士が、生徒さん達の検討結果の講評を行い、将来、誰もが裁判員に選ばれる可能性があること、また、裁判のみならず、今回の検討で行った論理的思考を日常生活でも活かしてもらいたいという話をしました。

授業の終わりに、弁護士との質 疑応答の時間を設けました。
ここでは、「教材のモデルとなった事件では結論がどうだったのか。」という教材の内容に関する質問や、「どうして弁護士になろうと思ったのか。」や「弁護士になるためにはどんな勉強をしたらいいか。」などといった法曹についての一般的な質問があり、参加を希望した生徒さんたちだけあって、熱心に質問してくれていました。

この模擬裁判授業の様子は、広尾学園のホームページでも紹介されています。
模擬裁判体験プログラム(記事)
模擬裁判体験プログラム(アルバム)
また、広尾学園のTwitterのアカウントでも紹介されています。
法教育委員会では、これからも、さまざまな企画を通じ、皆様に法教育の場を提供していければと考えていますので、是非、こちらからお申し込みください。

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