イベントレポート

出張授業 都立葛西南高校 身近な労働問題についてお話をしてきました

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更新日:2023年09月07日

1 労働問題検討委員会及び法教育の普及・推進に関する委員会では、2023年7月18日に、弁護士2名が都立葛西南高校を訪問し、定時制の高校3年生の生徒さん6名を対象とする労働法の基礎知識に関する出張授業(デリバリー法律学習会)を開催致しました。

2 定時制の課程に通っていて、日中は働いている生徒さんが多いせいか、労働問題について、熱心に耳を傾けてくれている様子が窺えました。
デリバリー法律学習会は、弁護士が学校を訪問し、民事事件や刑事事件を問わず、身近な法律問題を題材とするさまざまな教材を活用して、生徒や児童のみなさんに、法律に関する基礎知識や論理的な思考の流れを理解してもらった上で、教材から具体的な結論を導いてもらうことを目的としています。
また、学校の先生方を対象にした研修も行っています。

3 生徒さんたちからは、事前のアンケートで、アルバイト先への不満や「バイトの休み方を教えてほしい」、「バイトを辞める際に引き止められた場合は、どうすればいいか。」、「有給をふやすほうほうはありますか。」などという具体的な質問も寄せられていました。

4 今回、使用した教材は、都立葛西南高校の昨年度の授業でも利用した高校生用労働法クイズ及び事例設問です。
当日は、18時前に学校を訪問し、2コマを担当させていただきました。
1コマ目はクイズで肩慣らしです。高校生が店舗販売員のアルバイトを始める、という前提で、労働契約を結ぶ、という入口から、労務問題の紛争に巻き込まれてしまったときに相談できるか窓口はどこかという出口まで、基本的で重要な論点が散りばめられた9問について、答えてもらいました。
2コマ目は、事例設問について、6名全員で議論を進めてもらいました。3問を準備していましたが、議論が白熱したので、2問に集中的に取り組んでもらうことになりました。退職の自由や従業員の損害賠償責任、ハラスメント、退職勧奨、雇止め、労働災害等々の論点を含む説問でしたが、生徒さんたちは、弁護士らが気づいてもらいたいと考えている論点にも気づいてくれたり、自身がアルバイトをしている経験に根ざした意見も述べてくれたりしていました。
最初は、生徒さんたちも緊張している様子でしたが、労働法に関するクイズに答えたり、高校の進路担当の先生や弁護士らから「間違えてもいい。」、「自分自身の直感でいいから、考えを言ってみよう。」と水を向けられたりしているうちに、次第に積極的に発言するようになり、それぞれ自分の考えを持ってしっかりと発言していました。
弁護士らは、事前アンケートで寄せられていた質問にも答えながら、困ったときの相談窓口を板書したり、設問も解説を行ったりしましたが、生徒さんたちも解答に納得してくれている様子でした。

5 生徒さんのアンケートでは、クイズや事例設問、それらに関する講師の説明について、 わかりやすいという感想が多く寄せられ、また、「自分が知っている粗い知識が、細かなところまで確認できて、とても良い機会でした。」、「貴重な話を聞けて良かった。」という声もあり、生徒さんたちが満足してくれていることが伝わってきました。

6 第二東京弁護士会では、これからも、さまざまな企画を通じ、学校現場の生徒さんたちに、労働法の基礎知識の提供を含む法教育活動を進めていければと考えていますので、ご関心があれば、是非、こちらからお申し込みください。

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