出張授業 都立葛西南高校 身近な労働問題についてお話をしてきました
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1 労働問題検討委員会及び法教育の普及・推進に関する委員会では、2024年7月19日に、弁護士3名が都立葛西南高校を訪問し、定時制の高校3年生の生徒さん13名を対象とする労働法の基礎知識に関する出張授業(デリバリー法律学習会)を開催致しました。定時制の課程に通っていて、日中は働いている生徒さんが多いせいか、労働問題について、熱心に耳を傾けてくれている様子が窺えました。
2 デリバリー法律学習会は、弁護士が学校を訪問し、民事事件や刑事事件を問わず、身近な法律問題を題材とするさまざまな教材を活用して、生徒や児童のみなさんに、法律に関する基礎知識や論理的な思考の流れを理解してもらった上で、教材から具体的な結論を導いてもらうことを目的としています。 また、学校の先生方を対象にした研修も行っています。
3 今回、使用した教材は、都立葛西南高校の昨年度の授業でも利用した高校生用労働法クイズ及び事例設問です。当日は、18時前に学校を訪問し、2コマを担当させていただきました。
1コマ目はクイズで肩慣らしです。高校生が店舗販売員のアルバイトを始めるという前提で、労働契約を結ぶという入口から、労務問題の紛争に巻き込まれてしまったときに相談できるか窓口はどこかという出口まで、基本的で重要な論点が散りばめられた9問について、答えてもらいました。
2コマ目は、事例設問3問について、13名を3チームに分けて、チームごとに議論を進めてもらいました。退職の自由や従業員の損害賠償責任、ハラスメント、退職勧奨、雇止め、労働災害等々の論点を含む説問でしたが、生徒さんたちは、いろいろな視点・角度からこうした論点について議論をしてくれたり、自身がアルバイトをしている経験に根ざした意見も述べてくれたりしていました。また、最初は、緊張している様子の生徒さんたちも、労働法に関するクイズに答えるなど授業が進むにつれて緊張がほぐれ、それぞれ積極的に発言してくれていました。
4 生徒さんのアンケートでは、クイズや事例設問、それらに関する講師の説明について、わかりやすいという感想のほか、労働法についていろいろと学べてよかった、有給休暇は基本的にいつでもとれることを初めて知ったといった感想もいただきました。
5 第二東京弁護士会では、これからも、さまざまな企画を通じ、学校現場の生徒さんたちに、労働法の基礎知識の提供を含む法教育活動を進めていければと考えていますので、ご関心があれば、是非、こちらからお申し込みください。


