「がんばろう!能登復興支援ツアー」レポート
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互助会運営委員会 委員 山田瞳
当委員会は、2024年11月30日(土)からの一泊2日、能登復興支援ツアーを実施しました。
当委員会では、これまでにも被災地に赴く復興支援旅行を実施してきましたが、今回は、2024年1月1日に発生した能登半島地震を受け、同年中に現地を訪れることで、被災や復興の現状を実際に見聞きし、支援に向けた一助となればとの思いから企画したものです。出発の数日前にも大きな揺れが報道されるなど、震災の余波の残る中ではありましたが、役員及び委員を含め31名が参加しました。幅広い層からの参加があり、中でも70期台は13名に及びました。以下では初日の被災地視察についてレポートします。
朝、東京を出発して新幹線で金沢に入り、能登半島の首根っこにあたる七尾までバスで移動しました。車中、災害対策委員会の鈴木秀昌副委員長から、ご自身が被災地に足しげく通って活動されてきた、建築士と共に行う戸別訪問型個別相談等の報告があり、震災やその後の豪雨による土砂災害による現地の人々の暮らしの状況や支援の意義が伝えられました。
七尾到着後は、七尾市一本杉通りにある共同仮設店舗内の食事処「太左エ門」で昼食。この店は、被災で営業困難となった能登島の民宿が七尾の地で再起の第一歩として始めたもので、能登島から働きにきているという従業員の方々が迎えてくれました。地元の港で上がった新鮮な地魚料理と家族的なおもてなしが印象的でした。
旅行中は、曇天に冷たい雨が降ったかと思うと時折晴れ間がのぞく、変わりやすい天候続きで、日本海側気候を実感するとともに、震災時や直後の寒さはいかばかりであったろうかと思いを馳せました。昼食後も雨模様でしたが、外に出て近隣の被災した建物の様子を見たり、共同仮設店舗内の喫茶店を訪れて地元の方とのさらなる交流を深めたりと、暫し、思い思いに過ごしました。雨宿りに軒を借りた建物の窓は、ブルーシートで覆われていました。
七尾駅に向かい、同駅から半島を北上して穴水駅へとつなぐ「のと鉄道」に乗車しました。「のと鉄道」は、被災により運休するも、同年4月には再開し、同年9月からは、震災を経験した社員がその経験や被災地の現状を車窓の風景とともに案内する「語り部列車」を実施しています。語り部の宮下さんからは、震災時には停車中の車内にいて、津波から逃れるため、すぐに乗客を高台に誘導したこと、極寒の暗闇の中、不安な思いで一晩を明かしたこと等が語られました。車窓からは七尾湾が眼下に広がり、途中大きな虹がかかるのが見られるなど、のどかで美しい景色を楽しむ一方で、震災直後の津波等の恐怖はどれほどであったろうかとも感じられました。
穴水駅到着後、この地で「おくのと法律事務所」を開設している金沢弁護士会の中上勇輔弁護士と合流し、事務所やその近隣をご案内いただきました。事務所自体は、幸い倒壊は免れたものの、床や天井が歪んだ状態にあったり、近くの神社では、境内を取り囲む石塀が土台だけ残して軒並み崩れ落ちていたりと、震災の爪痕を目の当たりにしました。中上弁護士には、その後の懇親会にもご参加いただきましたが、その際の、震災時はお子さんの小学校のグラウンドにいたところ、地割れがご自身とお子さんの間を走ったという話が忘れられません。
穴水から金沢へのバスの中では、輪島出身のバスガイドさんから、震災直後に自宅から避難したものの近隣の神社の鳥居の下敷きとなって犠牲になられたご親戚の話、被災地では誰しもが辛い体験をしているという話がありました。
金沢の懇親会会場では、金沢弁護士会の柴田未来弁護士にもご参加いただき、被災時に受験を間近に控えた受験生に勉強できる環境を金沢で提供する取組や全焼した輪島朝市の復興に向けた取組、それぞれの資金集めのための活動等をご報告いただき、様々な形の支援があることを教示いただきました。
当委員会では、震災の記憶を風化させないよう、今後も、能登の復興の視察と支援に向けた企画を行っていく所存です。
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