イベントレポート

障がいのある子どもの就園就学ホットライン実施報告

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更新日:2025年06月10日

障がいのある子ども(医療的ケアを要する子ども含む)は、保育園や幼稚園への受入れを断られたり、希望する学校に入れない、といった困難に直面することがあり、子どもの学びや成長に大きな影響が出ることがあります。
そこで、第二東京弁護士会及び東京弁護士会では、障がいのある子どもの就園就学ホットラインを毎年実施しています。
2024年は10月18日に実施し、計32件の相談が寄せられました。これまでの6年間での総相談件数は、141件です。

「就園・就学拒否」類型には、明確に拒否をされたというケースから、就学相談において支援級(支援校)適と言われたなどといった就学拒否に繋がる可能性の高い相談や、支援級(支援校)に行けば障がいに対する配慮をするが、通常級では配慮できない、と言われ、事実上通常級を選択できないという相談も含めています。昨年までは保育園の就園拒否に関する相談が圧倒的に多くを占めていましたが、今年は通常級の就学拒否に関する相談が多くを占めました。中でも多いのが、通常級では障がいに対する配慮をしないと言われ、事実上支援級しか選択できないという相談でした。
「その他差別」は、希望する就園・就学先に通えてはいるものの、他の子と異なる取扱いを受けているという相談です。例えば、保育園の預り時間が他の子より短い、プールに入れてもらえない、などといった相談が寄せられています。
「合理的配慮拒否」は、希望する就園・就学先に通えてはいるものの、適した合理的配慮が受けられていないという相談です(その結果、希望する就園・就学先に行かれないものは除く)。介助員をつけてもらえず保護者が付き添わなければならないという相談や、できないことばかり指摘され、できることをさせてもらえない、といった相談が相次ぎました。
「その他」には、その他就園就学に関する不安や不登校に関する相談(合理的配慮拒否によるものとの訴えがあるものは除く)がありました。
障がいや医療的ケアを理由として入園や入学を拒否することは、障がい児に対する差別に該当する可能性があります(障害者差別解消法7条1項(行政機関等の場合)、8条1項(民間事業者の場合))。
また、通常学級においても、適切な合理的配慮を受ける権利はあります(障害者差別解消法7条2項(行政機関等の場合)、8条2項(民間事業者の場合))。したがって、通常級では何の配慮もできないと言って事実上通常級を選択できない状況に追い込むことも、合理的配慮の否定による差別的取扱いに該当する可能性があります(障害者権利条約2条)。
就園・就学に関して不当な扱いを受けたと感じたときには、差別をしないことや、合理的配慮を提供することを、はっきりと求めましょう。入園入学については、正式な申込みをする前に「難しい」と言われてしまうことも多いですが、ともかくまずは希望をはっきり伝えて申込みをしましょう。
障がいのある子どもの就園・就学に関するご相談は、下記でも受け付けていますので、お気軽にご利用ください。第二東京弁護士会では、今後も障がいのある子どもの育ちと学びのために取り組んでいきますので、困ったときには早めにご相談ください。

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●予約・お問い合わせ電話番号 03-3581-2250