会長声明・意見書

「袴田事件」の速やかな再審公判の開始と袴田巌さんに対する無罪判決を求める会長声明

LINEで送る
更新日:2023年04月27日

2023年(令和5年)4月27日
第二東京弁護士会 会長 小川 恵司
23(声)第2号

 2023年(令和5年)3月13日、東京高等裁判所は、「袴田事件」第二次再審請求事件について、再審開始を認め、袴田巌さんの裁判のやり直しを命じる決定を行い、その後再審開始決定が確定しました。

 「袴田事件」は、1966年(昭和41年)に味噌製造会社専務宅で一家4名が殺害された強盗殺人・放火事件です。この事件の犯人として起訴された袴田巌さんは、当初から無実を訴えていましたが、最高裁で死刑判決が確定しています。
 2014年(平成26年)3月27日に静岡地方裁判所が、再審開始を認めて裁判のやり直しを命じ、「耐え難いほど正義に反する状況にある」として、袴田さんの身柄の解放(拘置停止)を命じましたが、検察官の即時抗告により再審開始決定が確定するまでに実に9年もの時間が経過しています。

 再審開始決定が確定したことにより、裁判のやり直しを行う再審公判が開始されることになりますが、報道によれば、検察官は、本年4月10日に静岡地裁で開かれた三者協議において、再審公判における立証方針を決定するために3か月を要すると述べたとされています。
 袴田さんは、現在87歳の高齢で、47年もの長期間の身体拘束によって心身を病むに至っており、袴田さんの救済に一刻の猶予も許されません。
 再審開始決定に至る長期の審理において、本件の争点についての審理は、既に十分尽くされており、検察官が新たな有罪立証を行うことは許されないというべきです。
 当会は、速やかに再審公判が開始され、袴田巌さんに対する無罪判決が出されることを強く求めます。

 また、えん罪被害者を速やかに救済していくために、当会は、政府及び国会に対し、再審における証拠開示の法制化、再審開始決定に対する検察官の不服申立ての禁止、再審公判の手続規定を含む刑事訴訟法の改正を行うことを求めます。

2023年(令和5年)3月13日「袴田事件」第2次再審請求差戻後即時抗告審決定に関する会長声明

「袴田事件」の速やかな再審公判の開始と袴田巌さんに対する無罪判決を求める会長声明(PDF)

もどる