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私の育休報告 留学中に二人で子育て

留学中に二人で子育て

べいび。
元当会会員(留学中) 新井 理栄 (63期) ●Rie Arai

第一子の出産に加え、夫の留学に伴い渡米したことから、これまでの、東京で一日中仕事をしていた日々とは全く異なる生活を送ることになりました。子供が生まれた当初は、文字どおり慣れない育児に奮闘し、これまでと同じように仕事で活躍する同期や友人の様子を耳にするにつけ、どこか、自分だけが社会から取り残されていくような、妙に気持ちが焦ることも多か ったです。しかし、夫の協力もあり、次第に自分の時間を取ることができるようになると、せ っかくの休みを生かして、新たな分野の勉強をしたいという気持ちが芽生え、私もロースクールの客員研究員として、アメリカの独占禁止法と知的財産法を研究することになりました。保育サービスには頼っていないので、夫が大学までベビーカーを押して行き、教室の前でバトンタッチして子供を引き取り、私が連れて帰るといったこともありますが、夫婦二人、揃って新たな知識や経験を得られる環境に感謝しています。連絡ノートを作り、そこに二人で子供の様子を記録して伝え合ったりしています(右のような子供の絵を描いて楽しんでいます)。また、仕事だけをしていた時期とは違った世界に触れたことで、自分自身の意識に縦横の広がりが生まれ、何十年も先の未来に思いを馳せたり、広く世の中の子供の幸せを願ったりするような、これまでよりも温かな眼差しで社会を見つめることができるようになったと思います(それは、私の住んでいる地域の人たちが、子連れや障害者といった社会的に立場の弱い人々に対し、当たり前のように優しいことにも影響されているかもしれません)。子育てについては、専念する、少し自分の時間を持つ、またはこれまでと同様に仕事を続ける方法と、皆、それぞれに違った心地よいスタイルがあると思います。家族の協力を得て、自分に合ったライフスタイルを築くことが幸せな生き方に通じると思います。初めての子育てと海外生活の同時進行は、やっと慣れた頃にあらゆる物事がまた変化してしまい、なかなか大変です。今後、職務復帰となれば、また大きな変化になりますが、これからも夫と協力して、楽しみながら最善の選択をしていきたいと思います。