遠い空から~元気にがんばっています~つがるひまわり基金法律事務所
青森県弁護士会会員 笹森 真紀子 (67期)
※本コーナーでは、全国各地にある公設事務所に赴任した当弁護士会出身の弁護士が当地での活動を 紹介します。
1. つがるひまわり基金法律事務所の紹介
つがるひまわり基金法律事務所は、平成19年1月に設置された公設事務所です。
私は、平成26年12月に第二東京弁護士会に弁護士登録をした後、平成29年7月に、つがるひまわり基金法律事務所の5代目所長として赴任しました。
つがるひまわり基金法律事務所は、青森県五所川原市にあり、管轄裁判所は、青森地方裁判所五所川原支部及び五所川原簡易裁判所です。受任した事件のほとんどは、青森地方裁判所五所川原支部に係属していますが、五所川原市から青森市や弘前市まで車で1時間弱ですので、最近では青森地方裁判所(本庁)や青森地方裁判所弘前支部の事件も増えています。また、現在、五所川原支部管内には、弁護士事務所が当事務所を含めて4つあります。
2. 五所川原市の紹介
五所川原市は、青森県西部にある津軽地方に位置し、人口は、約5万4000人です。冬季には、地吹雪体験ツアーが組まれるほど、厳しい寒さにさらされます。夏に開催される祭り「立佞武多(たちねぷた)」は、高さが最大で20m強にも達する巨大な山車が運行され、その迫力に観客も魅了されます。祭りの時期には100万人もの人が五所川原市を訪れ、とても活気が出ます。
五所川原市内には、青森県内最大級のショ ッピングモール「エルム」があり、休日になると、青森県中や隣の秋田県、岩手県からも人が訪れています。「エルム」には、スターバ ックス コーヒーや、いきなり!ステーキなど有名店も入っており、私もほぼ毎日利用しています。
五所川原市金木町は、太宰治の出身地であり、金木町には太宰治記念館「斜陽館」があり、太宰治の作品にちりばめられた様々な場面を思い起こすことができるため、太宰治好きには是非とも訪れてほしい場所です。
3. つがるひまわりでの業務
(1)受任事件の特徴
事件としては、民事・家事事件が5割、破産・債務整理関係が3割、刑事事件0.5割、裁判所からの事件が1.5割くらいです。平和な地域なのか刑事事件がほとんどなく、1か月のうち3分の1は、国選と当番の待機をしていますが、事件が配点されることはまれです。また、通常の事件のほかに、講演や出張の法律相談もありますが、五所川原支部には女性弁護士が私しかおらず、隣の弘前支部にも女性弁護士が少ないためか、女性のための法律相談や講演会を依頼されることが多く、女性弁護士のニーズを痛感しています。
(2)地吹雪
五所川原市の有名なものといえば「地吹雪」です。地吹雪は、強風により、地表面に積も った雪が舞い上げられる現象で、地吹雪にな ってしまうと、車を運転していて1つ前の車も見えなくなってしまいます。
この前も、弘前の裁判所からの帰りに地吹雪が起こり、前がほとんど見えず、更に道路が凍って滑りやすくなっており、私の前を走る軽トラックがスピンしながら道路脇の防風柵に衝突していました(幸い運転手はすぐに出てきたので大きなけがはなかったようです。)。
五所川原での弁護士の活動は、遠方の裁判所に行くにも、後見業務で施設を訪問するにも、現地調査に行くにも車が必須ですが、冬になるといつも以上に慎重に運転しています。
(3)津軽弁
また、五所川原地域は、青森県内でも特に方言(津軽弁)の癖が強い地域と言われており、法律相談では、相談者の言っていることがほとんどわからなくて何度も聞き返してしまったり、時間がとてもかかってしまうことも多いです。紙面上でも表現しようと思いましたが、文字にすることも難しいので断念しました。
4. 最後に
五所川原市での地吹雪ツアーにて(写真中央が筆者)
ひまわり基金法律事務所での活動は、弁護士としての存在価値を改めて認識させてくれるものであり、とてもやりがいがありますので、是非とも多くの弁護士が興味を持ってくれることを望みます。
また、私は、東京フロンティア基金法律事務所で、2年4か月の養成を受けた後に、つがるひまわり基金法律事務所に赴任しました。東京フロンティア基金法律事務所での養成期間中には、所長の幣原先生、先輩の先生、同僚、事務局さん方には大変お世話になり、弁護士としての基礎を教えていただきました。更に、第二東京弁護士会の先生方には、公設委員会やいろいろな委員会で赴任までの間とてもよくしていただいて、自信をもってひまわり基金法律事務所に赴任できたと思っております。
今後とも、第二東京弁護士会による司法過疎対策の推進及び東京フロンティア基金法律事務所への支援をよろしくお願いいたします。

