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山椿

少し前の話になりますが、昨年11月3日、ラグビーの日本代表チームVSオールブラックス(ニュージーランド代表チーム)戦を観戦しました。
人気カードなのでチケットの入手はあきらめていたところ、私の所属する会派の幹事がラグビー観戦を互助企画として考えてくれたのです。このときも「会派に属することの恩恵だな。」と感じました。約25年前、個人事務所に就職する多くの弁護士と同様、私もボス弁の所属する弁護士会(二弁)に入会し、ほぼ自動的にボス弁の所属する会派の一員となりました。 そして、直後の5月、会派の総会に出席するため、慣れない仕事を終えて箱根湯本の旅館に駆けつけました。総会はすぐに終わり、宴会が始まりましたが、端っこの席でかしこまりながら、自分もいつかは先輩方のような立派な弁護士になろうと決意を新たにしたことを覚えています。
それ以来、会派の集まりにはできる限り参加するようにしました。とはいっても、目当ては会合後の飲み会ですが。
そういう席では、先輩方のざっくばらんな経験談を聞くことができます。お酒が入っているので、自慢話を我慢しなければならないことも多いのですが、そのようなお話を伺うと、自分も頑張ろうというやる気が出てきたものです。逆に、たまに酔った勢いで失敗談を聞かせていただくこともありました。失敗談は、弁護士として気をつけなければならない点を実践的に知ることができるという意味で大変有益、かつ滅多に接することのできない貴重な情報です。
また、二弁の各種委員会の活動内容を教えていただき、所属する委員会選択の参考としたこともあります。その後、私は、民暴委員会に入り、そこでの活動は、自分の仕事にも随分役立ったように思います。
弁護士にとって、会派に所属するメリットは、このような情報収集機能以外にも沢山あります。
しかし、何よりも、私が会派に所属していてよかったと感じるのは、もっと精神的な事柄です。
それは、基本的に孤独な作業が中心となる弁護士という職業において、仕事を離れた仲間を作ることができた、あるいは、これからも作ることができるという点です。
もちろん、忙しい仕事の合間に会務をしなければならない大変さは否定できませんが、それを補って余りある満足感と充実感を得られることを保証します。
この点、2018年11月号の「花水木」で、高橋和弘先生が若手の立場から語ってくれているのでご参照ください。以上、「友好的な会派の有 効性」というつまらない語呂合わせで、まだ会派に所属していない若手の先生方に会派への参加をお勧めする次第で
す。
そういえば、今年は、ラグビーワールドカップ日本開催の記念すべき年になります。
会派の互助担当幹事には、もう一回、ラグビー観戦企画を立てていただければ幸いです。


南 敦 (45期)
●Atsushi Minami