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花水木

私は平成29年12月に弁護士登録をし、現在登録2年目になります。大学の法学部を卒業した後、そのまま法科大学院に進学し、修習を経た私にとって、現在社会人2年目でもあります。弁護士としての経験となると、まだまだ経験も少なく、本稿のような場で振り返るような経験もあまりないように思えますので、新人弁護士=新社会人としての1年を振り返り、弁護士になる前の目標や今後の社会人としての目標について考えたいと思います。

昨年1年間を振り返ると、業務については右も左も分からず、簡単なことに非常に苦労しました。産休に入られるアソシエイトの先輩弁護士から引継ぎを受けたこともあり、初めから比較的多くの案件を受けていたと思いますが、経験のない新人弁護士がいきなり一人で案件をこなせるわけもなく、当然の前提となるようなことも一つ一つ調べながら業務を行い、四苦八苦しながら業務を行っていました。もちろん、依頼者に対しては、経験のないことが言い訳になるわけでもなく、一弁護士として、しっかりとした対応をするために、打ち合わせに入る度、電話を取る度に緊張しておりました。先輩弁護士の業務を見て、見よう見まねで業務に試みるなどしてみましたが、当たり前に業務を行うことの大変さを実感しながら、現在も試行錯誤しております。

また、昨年は、年齢からして増えてくる時期なのだと思いますが、結婚式への出席が非常に多く、ほぼ毎月1度は結婚式へ出席しておりました。大学や法科大学院での友人からの招待がほとんどでしたので、もちろん弁護士の業界とは関係のない友人もおりましたが、新郎新婦のどちらかが弁護士であることが多かったです。プロポーズや交際に至るまでのエピソードの紹介など結婚式ならではの演出が数多くあり、後日友人たちとそのとき初めて知った話を肴に盛り上がったりしましたが、その中で、ふと、弁護士となった友人の上司に当たる方からのスピーチで印象に残っている場面がありました。結婚式という場なので、当然、場に合った形でスピーチをされているのだとは思いますが、具体的なエピソードとともに、その友人が職場でどのように働いているのか、周りの方からどのように見られているのか、といった話をされています。そのような話から日頃の仕事ぶりが垣間見え、司法試験に向けてともに勉強をしてきた友人であり、同じ業種の仕事をしている立場からすると、自分の知らないところで相当に努力している姿が想像でき、十分に評価されている友人に少しばかり嫉妬するとともに、自分も頑張ろうと改めて思いました。業務を行っている中で自分の至らなさを感じることが多く、周りの友人も努力しているのだと客観的に気づかされる場面では、何度も元気づけられました。

社会人2年目となった現在も、まだまだ至らないところを実感する毎日ですが、そのような友人たちに負けないよう今後も一つ一つ弁護士としての力を伸ばしていきたいと思います。

森田達也
森田 達也(70期)
●Tatsuya Morita

NIBEN Frontier●2019年11月号