出版物・パンフレット等

花水木

松本 寿親(66期) ●Toshimoto Matsumoto

花水木2013年12月に弁護士登録をしてから、本寄稿が掲載される頃には丁度7年が経過しているかと思います。
登録してからの1年間は都内の今とは別の事務所・弁護士会に所属していましたが、その後、受験生時代からの縁で、今の事務所に移籍したのと同時に、第二東京弁護士会に籍を移し、現在に至ります。
現在の事務所は、親族、相続等一般民事や、たまに刑事事件対応もありますが、主に会社関係、特に不動産関係の業務が多いです。週に数回は期日が入っており、訴訟対応も決して少なくない方かと思います。
弁護士歴7年を迎え、業界では若手といわれることも少なくなりましたが、事務所の中では一番修習期が若く、まだまだ多くのことを日々学んでいます。
当事務所の所長は、民法は第1条が全てであり、「条理に勝る法はなし」という格言を信条とし、依頼者との相談の際には、まずは常識で考えたらどうなるかというのを出発点に説明されています。自分が弁護士になりたての頃は、法律や判例ではどうなっているかをまず考えていたので、依頼者へ説明する際に、自分でも腑に落ちない場合もあり、そういうときに限って、大体依頼者も納得していない表情をしていました。 今では、まずは一般常識か ら妥当な結論がなんなのかを考えてから、理論的な部分を補足して説明することが、依頼者の納得感や紛争解決にとっても重要だと痛感し、そのように説明することを心掛けています。
まだまだ、依頼者の納得しない表情を見る機会もありますが、なりたての頃に比べると少なくなったように思います。
また、他者の悩みと向かい合うことから、日々ストレスを感じることも多く、依頼者のためになる仕事をするには自分自身の精神的な安定を保つのが重要だと思っています。本稿の執筆中は、政府の緊急事態宣言は解除されたものの、まだまだ新型コロナウイルスが猛威を振るっている真っただ中です。そんな社会全体の先行きが見えず、暗い話題が多い中でも、ポジティブに考えるようにしました。実際に自粛期間中は、悪い ことばかりではありません。極力自転車で事務所に通勤することにしたおかげで、運動不足も解消でき、ベルトの穴が一つ縮まりました(もれなくリバウンド真っ最中ですが)。また、家族との時間が増え、それまでママにべったりだった4歳の長男(パパ似) と1歳の長女(パパ似) の好感度を少しばかり取り戻せたように思います。
新型コロナウイルスの影響により、従来はほとんど行っていなかったインターネットを使った打ち合わせ、相談等、今後は弁護士業務の在り方も時代に合わせてますます変化が求められていくと思います。
今後も業務の上では、絶えず変化していく社会に対応しながらも、普遍的な条理を大切にし、業務外では、家族との時間を大切にし、引き続き子どもたち(パパ似)の好感度を上げていきたいと思います。