出版物・パンフレット等

山椿

行方 美彦 Yoshihiko Namekata ―37期

2021年9月に4回目の緊急事態宣言が解除されました。オミクロン型の出現も報道され、今はつかの間の平穏でしょうか。
ウィズコロナ下の初老弁護士の雑感です。

まずはリモートワ-クです。通勤しないので体は楽でした。判例とこれに関連する法律雑誌の評釈、論文はネットサービスで検索できました。しかし、法律書等の文献を調べるために事務所に出る必要がありました。最近は、電子ライブラリ-のサービスもあるようです。経済性と利便性を考えると電子ライブラリ-もアリかなと思います。書棚に本が並んでいることによる妙な充実感?はなくなりますが。
もろもろの会議はWEBでできましたが、事件の打ち合わせは、その全てをWEBですることはできませんでした。やはり事案によっては、直接依頼者の方々の顔を見ながらお話を伺うことが必要であると思います。
というわけでリモートワークは1か月が限度でした。

次に、裁判手続のIT化の経験です。WEB会議(書面による準備手続)ですが、訴訟提起後、複数回WEB会議を行い、その後第1回口頭弁論期日で終結した事件や、WEB会議で裁定和解をするという初めての経験もしました。
第1回口頭弁論期日で終結した事件については、多くの準備書面、書証が漏れなく陳述、提出扱いになったか気になりましたので、念のため期日調書の謄写をしました。裁定和解につては、和解調書に、「和解条項告知日等 当事者双方 令和3年3月16日(ウェブ会議において口頭により告知)」と記載されていました。恥ずかしながら民訴法の基本書を読み裁判官の説明を理解した次第です。裁判所は現行法の下で工夫を凝らしているようです。
裁判手続のIT化については、タイミングよくジュリストで2020年4月から1年間連載が組まれていましたので、これからどうなってゆくのだろうと興味深く読みました。
二弁フロンティア2021年10月号でも「裁判IT化の現在地」という特集が組まれ、当会の日下部真治先生が執筆されています。背景事情、今後のスケジュールを含め裁判IT化の内容がコンパクトに整理されており、要点を理解することができました。
ちなみに、同論稿によりますと、「『e提出』及び『e事件管理』により、これまでの書記官が担ってきた事務がかなり合理化され、それに伴う書記官事務の見直しは避けられない」であろうとのことです。
痛みは避けられないのかもしれません。

私生活の上では、何といっても大好きな「会食」がほぼなくなり、人と会う機会が大幅に減ってしまいましたが、最近、ようやく、第6波を警戒しながら、少人数で「会食」ができるようになりました。
私は、「五月会」という会派に所属しており、36年間の弁護士生活は、五月会の諸先輩、仲間の存在なくして考えられません。
先日、久しぶりに五月会の仲間(親子ほど年は離れていますが)と「会食」をしました。ウィズコロナ、アフターコロナのライフスタイルは変わるのでしょうが、人と直接会って話をする大切さは決して変わらないことを改めて実感したところです。

五月会の仲間と(左手前が筆者)